第86話:『リサイクル・パパ。 ―古新聞、段ボール、時空の創造主―』
「似たようなもの」は全て分別される九条家の朝。
パラレルお母さんの手違い(?)により、パパは存在そのものを「資源」として回収されてしまいました。
お母さんの「固結び」に神の力すら封じられたパパでしたが、最後はお母さんの「返品(物理)」により生還。
九条家において、パパの立ち位置は「たまに分別を間違えられる家具」に近いものになりつつあります。
「……リィナ。……聞こえるかい。……私は今、雑誌とチラシの間に挟まれて、銀河の果てを揺られているよ」
リビングの空間から、パパの情けない声がエコーとなって響いてきた。
「ちょっと、パパ!? 何やってるのよ。お母さん、パパがいないんだけど!」
リィナがキッチンへ駆け込むと、そこには「パラレルワールドのお母さん(Bママ)」が、ビニール紐を指に巻きつけながら満足げに立っていた。
「あらリィナちゃん、おはよ。……あそこのソファで『ぼーっとしてた人』、なんだか古びてて場所を取るから、今日の『資源ゴミ(特殊)』として紐で縛って出しといたわよ。……あ、こっちの世界のパパさんだった? ごめんなさい、うちのパパと間違えちゃった」
「……あーあ。パパ、ついに『不要な大型資源』扱いされちゃった」
『リィナ。……Bママの「片付けの波動」が強すぎて、私の存在確率が「可燃ごみ」に近い「古紙」として認識されてしまったんだ。……今、私は回収車(次元航行型)の中で、エロ本と一緒にプレス機にかけられそうになっている……。……(印:存在の再資源化)×(印:紐解き)。……ダメだ、結び目が「主婦の固結び」だから、神の力でも解けない!』
「何やってるのよ、この泥棒猫(別次元の自分)! うちの旦那を勝手にリサイクルしないでッ!!」
本物の(A)お母さんが、特売のネギを武器に帰還した。
お母さんは即座に(神具:裁ちばさみ)×(属性:回収日無視)×(印:亭主関白の再建)を構え、次元のゴミ捨て場へと突入した。
「パパ! そこで大人しくしてなさい! (お母さんの怒声)×(印:ゴミの出し直し)×(強制:返品)! ついでにその古新聞の中から、後で使うチラシだけ抜いておいて!!」
お母さんがハサミを虚空へ一閃すると、次元が裂け、紐でガチガチに縛られたパパが、大量の古新聞と共にお茶の間へと吐き出された。
「……助かった。……でもリィナ。……捨てられている間、他の次元のパパたちと会議をしたんだけど、あっちのパパは『粗大ゴミ』として出されてたよ。……うちは『資源』だっただけ、まだマシだね……」
パパは複雑な表情で、自分の体に食い込んだビニール紐を解くのでした。
第86話、ありがとうございました!
パパが「資源」として回収され、他の次元のパパと交流するシュールな展開(笑)。
「紐の結び目」に勝てない創造主という情けなさが、パパの魅力ですね。




