第73話:『ゴミ箱大戦。 ―田中さんちの生ゴミ、奪還(マージ)せよ―』
資源(生ゴミ)を求めて隣家を侵略するミクロ文明。
田中さんちの魚の骨を巡る攻防戦は、リィナの「猫のせい」という強引なパッチで幕を閉じました。
九条家を中心とした「町内会ゴミ箱連邦」が誕生し、お母さんの食卓が豪華になるほど、ゴミ箱の中の文明は爆発的な発展を遂げていくのでした。
「……パパ、見て。庭を横切る『銀色の筋』が、お向かいの田中さんちの門扉を突破したんだけど」
リィナが縁側でアイスを食べていると、ゴミ箱国家「キュウジョウ・ゴミーランド」の精鋭部隊(体長2ミリ)が、使い捨てフォークを改造した超振動ブレードを掲げ、田中さんちのポリバケツに向かって進軍を開始していた。
『……観測。……彼らは、九条家の「世界樹の残飯」という高エネルギー源を独占した結果、さらなる資源……すなわち「田中さんちの魚の骨」を求めて、他国(隣家)への侵略を開始した。……(印:次元の拡大解釈)×(印:ゴミ箱の連邦化)。……よし。これで、町内会中のゴミ箱が「ワープゲート」で連結されたよ』
「ちょっと、パパ! 田中さんが『最近、ゴミ箱から光るドローンが出てくるのよ』って不気味なこと言ってるじゃないの! 苦情が来たらどうするのよ!」
お母さんが、玄関先で田中さんと世間話(情報収集)を終えて戻ってきた。
その背後では、田中さんちのゴミ箱を制圧した小人たちが、「タナカ・セクター制圧!」と超音波の勝鬨を上げ、九条家のゴミ箱へと「貢ぎ物の干物」を運び込んでいた。
「(印:平和維持軍の派遣)×(印:記憶改竄:猫の仕業)×(投げ銭:田中さんへの高級メロン)」
リィナが指を鳴らすと、田中さんの記憶からは「光るドローン」が「近所の野良猫」に上書きされ、代わりにリビングには「お詫びのメロン」が転送された。
「……ねえ、リィナ。このメロン、小人たちが『戦勝記念』の祭壇にしてるんだけど。勝手に食べたら戦争になるかしら?」
「いいわよ、食べちゃいなさい。神(母)が食べるんだから、彼らにとっては光栄なことよ」
お母さんがメロンに入刀した瞬間、ゴミ箱国家の全住民が「神の鉄槌」にひれ伏し、その日の「ゴミ箱大戦」は、メロンの皮が新たな領土(残飯)として投下されることで、平和的に終結した。
第73話、ありがとうございました!
「猫の仕業」で片付けられるミクロの超文明(笑)。
メロンの皮が投下されるだけで、敗戦国すら幸せになるという、あまりにも平和な解決策です。




