第47話:『恐怖の三者(多神)面談。 ―進路希望:世界の維持か、昼寝か―』
リィナの進路を巡って、九条家と神々が学校で激突。
「普通の女子高生」として育てたい親と、「世界の王」にしたい居候たちの温度差に、学校の設備が耐えきれません。
リィナの希望はあくまで「快適なニート生活」。しかし、その内申点は「全宇宙最強」として書き換えられてしまいました。
「……ねえ、パパ、ママ。なんで後ろに『これ』がついてきてるの?」
リィナは、学校の廊下で頭を抱えていた。
今日は三者面談。本来なら親一人で十分なはずだが、九条家の後ろには、タキシード姿の魔王サトウと、純白のスーツで決めた女神(現在:九条家家事手伝い)が、SPのような顔をして直立不動で控えていた。
「だってリィナ、この人たちが『主の進路は全宇宙の命運。我々が同席せずして何が進路指導か』って言って聞かないのよ。……ほら、サトウさん、角が天井の蛍光灯に当たってるわよ!」
「も、申し訳ございません、教母様……!」
教室のドアを開けると、そこには既に胃薬を飲んで待機していた担任の先生がいた。
「あ、九条さん……。ええと、お父様、お母様。……それと、背後で後光を放ちながら浮いている方々と、漆黒の炎を纏っている方は……?」
「ああ、近所の者です。気にしないでください」
パパがビジネススマイルで名刺(文字が動く魔法仕様)を差し出す。
「さて、先生。娘の進路ですが」
先生は震える手で資料を広げた。
「は、はい。九条さんは成績も……その、測定不能というか、テスト用紙が黄金に変わってしまうので採点できませんが……。本人の希望は『自宅警備(要塞勤務)』となっています」
「却下です!」とお母さん。
「神域の管理だか何だか知らないけど、若いうちは外で働きなさい!」
「……えー。私、もう世界のバグ修正だけで一生分働いたわよ」
リィナが不満げにスマホをいじると、後ろの女神が涙ながらに口を挟んだ。
「先生! リィナ様は『新世界の創造主』としての適性がSSSランクです! 某大学の医学部よりも、銀河系の再構築学部への推薦を……!」
「黙れ、女神! リィナ様は我が魔界の『終焉を司る女帝』として即位されるべきだ! 進学など不要、全次元が彼女の教室なのだ!」
魔王と女神が教室内で「神話級の口論」を始め、教室の窓ガラスが振動で粉砕されかける。
「(印:静粛)×(印:内申点への悪影響)×(投げ銭:先生への高級胃薬)」
リィナが指を鳴らすと、神々の口がチャックで閉じられ、先生の目の前には究極の効き目を持つ「神界の錠剤」が出現した。
「……先生。とりあえず、大学は『Wi-Fiが速いところ』でいいわ」
「……わ、わかりました。では、第一志望は『電波良好・自宅至近』で記入しておきます……」
先生は白目を剥きながら、震えるペンで「神話の終焉」のような進路希望調査票を書き上げた。
リィナの進路を巡って、九条家と神々が学校で激突。
「普通の女子高生」として育てたい親と、「世界の王」にしたい居候たちの温度差に、学校の設備が耐えきれません。
リィナの希望はあくまで「快適なニート生活」。しかし、その内申点は「全宇宙最強」として書き換えられてしまいました。




