第41話:『神々の居候。 ―晩ごはんのカレーは銀河を救う―』
リィナの能力がバレた結果、九条家は「全宇宙一安全で快適な保養所」として神々に認定されました。
天界のメロンと引き換えに、破壊神をパシリに使うお母さん。
異世界の奇跡を「Wi-Fiの速度向上」という極めて現実的な利便性に浪費するリィナ。
九条家の日常は、もはや神話を超えた領域に到達しました。
「……ちょっと、リィナ。玄関に置いてあるこの『黄金の壺』、邪魔なんだけど。誰の?」
お母さんが掃除機をかけながら、リビングの隅に鎮座する禍々しい輝きを放つ骨董品を指差した。
「……あ、それ。こないだの雷神が、家賃の代わりに置いてった『無限の魔力源』。パパのスマホの予備バッテリーにしてるから、触らないで」
九条家のリビングは、もはや異次元のゴミ捨て場(宝物庫)と化していた。
リィナが国家予算を拒否した結果、神々は「あ、この家に入り込めば運営の監視から逃げられるし、美味しいご飯が食べられる!」と気づいてしまったのだ。
「ピンポーン」
インターホンが鳴る。リィナがモニターを見ると、そこにはエプロンをつけた女神と、お土産の「天界のメロン(食べると全ステータス完スト)」を持った破壊神が立っていた。
「九条様! 今日から三日間、こちらでホームステイさせていただきたく! お礼に、この家のWi-Fi速度を『光速』から『思考速度』に書き換えました!」
「……勝手にインフラ弄らないでよ。ママ、どうする?」
「……メロン、高いのよね。……いいわ、入りなさい。ただし! 靴はちゃんと揃えて、夕飯の準備は手伝うこと!」
「「御意にございます!!」」
その日の夜、九条家の食卓は地獄(天国)のような光景になった。
(お母さんの特製カレー)×(神々の加護:黄金のスパイス)×(パパの隠し味:インスタントコーヒー)。
「……う、美味い……! 我が神界のネクタールなど、この黄色い煮込み料理に比べれば泥水に等しい……!」
涙を流しながらカレーを掻き込む破壊神。
「リィナさん、お代わりいいかしら? この『ふっくら炊けたお米』、一つぶ一つぶに創世の息吹を感じるわ」
女神が、ただの炊飯器で炊いた米に感動して震えている。
「……ねえ、リィナ」テラ(居候のプロ)が耳打ちしてくる。「君の家、もう完全に『全次元のハブ(中心)』になっちゃってるよ。そのうち、隣の部屋に『概念そのもの』が引っ越してくるんじゃない?」
「……勘弁して。私の部屋のクローゼット、もう『聖剣の保管場所』になってて服が入らないんだから」
リィナは溜息をつき、神々が洗ってくれた皿の「ピカピカすぎる輝き」を眩しそうに見つめた。
神様を「ホームステイ」として受け入れる九条家の懐の深さ(笑)。
「カレーライスが神界の飲み物より美味しい」という、ある意味で最大の文明格差。
リィナの部屋が聖剣で埋まっているというのも、最強の女子高生あるあるですね。




