第39話:『資本主義の逆襲。 ―スパコン100万台で邪神を召喚―』
リィナの力を解析しようとしたIT企業が、自ら「人造邪神」を召喚。
しかし、神話の存在すら「ただのデータ」として扱うリィナにとって、それは「不要なファイルの削除」と同じくらい簡単な作業でした。
パパによる「Win95への強制ダウングレード」という、IT関係者にとって死よりも恐ろしい罰(笑)。
「……なんか、学校の裏山の方から『嫌な音』がするんだけど」
リィナが屋上のベンチで新作の限定フラペチーノ(神様特製)を飲んでいると、空がどす黒い紫色に染まり始めた。
パジャマ姿で追い出されたはずのIT企業軍団が、諦めるどころか、近隣のビルをまるごと「巨大な演算ノード」に改造し、強引に次元の壁をドリルでぶち抜こうとしていた。
『ターゲット・コード:九条リィナ! 解析完了……! 異世界の門、接続率100%! 我が社独自の「クラウド・デーモン」をダウンロードするぞ!』
地響きと共に現れたのは、無数の光ファイバーと基盤で構成された、電子の邪神。
それは人々の「もっとバズりたい」「もっと金が欲しい」という現代の呪いを食らって肥大化した、最悪のバグの塊だった。
「ひえぇぇ!? ボス、あいつら正気か! 自分たちの手で『ラスボス』をデバッグもせずにリリースしやがった!」
ゼノンがガタガタと震え、校舎が電子のノイズでノイズまみれになる。
「……はぁ。自分たちで解決できないものを、安易にダウンロードしないでよ」
リィナは立ち上がると、スマホの画面に「負の因数分解」を走らせた。
相手はIT企業が作った「人造の神」。なら、やり方は一つだ。
「(邪神の全データ)×(ゴミ箱へ移動)×(完全消去:上書き不可)。……あ、ついでにパパ、あっちの会社のサーバー、全部『Windows 95』にダウングレードしといて」
『承知したよ、リィナ。……ついでに、彼らの銀行口座のパスワード、全部「1234」に変えておいた。セキュリティ意識の向上を願ってね』
パチン、と指を鳴らした瞬間。
降臨しかけた邪神は「404 Not Found」というエラー文字を残して消滅し、裏山の巨大演算装置は「ピーー」という懐かしいダイヤルアップ音を立てて全停止した。
「……これで少しは、身の程を知るでしょ」
リィナは飲み干したカップをゴミ箱に投げ入れた。
現代のテクノロジーが束になっても、リィナの「一文字」の計算式には届かない。
邪神を「ゴミ箱」へ捨てるという、リィナらしい圧倒的な処理能力。
そして、パパの追い打ち(セキュリティ弱体化)が地味に効いてます。




