第25話:『八百万の神々、参列。 ―ポイント目当ての救世要請―』
リィナの「ポイント」の噂は、ついに多次元宇宙の神々にまで届きました。
破綻した世界を救うため、プライドを捨ててポイントをねだる神々。
しかし、神の権能すらも「ただの数値」として処理するリィナにとって、彼らはただの「騒がしい客」に過ぎませんでした。
「……なによ、この神様のバーゲンセール」
リィナがモールの正面玄関へ向かうと、そこには黄金の馬車、銀の龍、果ては空飛ぶピラミッドまでが駐車場(ドラゴン専用)を埋め尽くしていた。
降りてきたのは、筋骨隆々の雷神から、千の手を持つ女神まで、ありとあらゆる異世界の「管理者」たちだ。
「リィナ様! 我が世界『ゴッド・オンライン』は現在、ハイパーインフレで滅亡寸前です! どうかその『レガシーポイント』を融資していただきたい!」
「我が世界はバグだらけで運営が逃げ出しました! あなたの『掛け算』でパッチを当ててください!」
神々がリィナの足元に跪き、まるでアイドルの出待ちのように懇願する。
「ボス、こいつら全員『神様』だぞ……。地上の人間が見たら発狂して死ぬレベルのメンツだ」
ゼノンが腰を抜かし、テラ(元・神様)はポップコーンを食べながら「あ、あいつ僕の同期だよ。相変わらず仕事できないなぁ」と笑っている。
「……ねえ、あんたたち。ここが何だか分かって言ってるの?」
リィナは一歩前に出ると、周囲の神々を冷たく見下ろした。
(印:威圧感)×(印:全次元放送)×(投げ銭:神殺しのオーラ)。
「ここは私の『隠れ家』なの。あんたたちの世界を救う義務なんてないわ。……大体、自分の世界くらい自分で計算しなさいよ」
「そんな……! ならば力ずくでも!」
血気盛んな戦神が剣を抜こうとした瞬間、リィナが指をパチンと鳴らした。
「(あんたの神力)×(0.0000001)。――はい、ただの一般人ね」
「なっ……力が……消えた……!? 神の権能を『定数』で上書きしたというのか!?」
「帰りなさい。……どうしても助けてほしいなら、このモールの『お客様アンケート』に不満を1万文字書いて、全員でトイレ掃除してから帰りなさい。気が向いたらポイントを恵んであげるわ」
神々は絶望し、そして次の瞬間には「清掃用具」を求めてモール内へ走り出した。
神様たちを「トイレ掃除」で追い払うリィナの格好良さ(笑)。
「自分の世界は自分で計算しろ」という言葉、突き放しているようで一番の本質かもしれません。
これで要塞は「神々が掃除する世界一清潔なモール」になりました。




