第22話:『神様、フードコートに降臨。 ―創造主、クレープに敗北する―』
リィナが作った空中モールに、なんと創造主が「無職」になって遊びに来ました!
神様すらもジャンクフードの虜にするリィナの建国センス。
もはや敵がいなくなった世界で、最強の二人が揃ってしまったことで、経済と物理法則がさらに無視され始めます。
「……ちょっと、サトウ。あそこのテーブル、盛りすぎじゃない?」
リィナがラウンジからフードコートを見下ろすと、山のようなクレープとタピオカの空きカップに囲まれた、一人の少女がいた。
先日、管理レイヤーで対峙したあの「創造主(神様)」である。
「主様、あの方……オーラが完全に『世界の理』そのものなのですが、現在チョコバナナクレープの生クリームを鼻につけて苦戦しております」
掃除担当のサトウが、ほうきを手に困惑している。
リィナはため息をつき、少女の前の席にどっかと座った。
「あんた、何してんの。神様の仕事は?」
「……むぐっ。リィナか。仕事なら辞めてきたよ。君が『無限の日常』に書き換えたせいで、僕がシナリオを書く必要がなくなっちゃったからね」
少女――自称「テラ」は、幸せそうに口いっぱいのクレープを飲み込んだ。
「管理は全部オートモードにして、僕もこの『0.1秒の楽園』の住人になることに決めたんだ。……それにしても、この『いんすたんとの麺』ってやつ、神の奇跡より中毒性があるね」
「……勝手についてこないでよ。ここは入国審査が厳しいんだから」
「いいじゃないか。代わりに、僕が持ってる『究極の隠しコマンド』をいくつか教えてあげるよ。例えば……このモールのポイントを『無限』に増やす掛け算とか」
「……それ、もっと早く言いなさいよ」
リィナの瞳が、今日一番の輝きを見せた。
最強のバグである女子高生と、仕事を放棄した創造主。
最悪のコンビが、平和になったはずのショッピングモールを、さらなるカオスへと導こうとしていた。
「アルヴィス! テラに一番高いパフェ持ってきて。これ、先行投資よ」
「……御意。……しかし主よ、これではこのモール、数日で世界の時価総額を超えてしまいますが……」
「いいのよ。世界なんて、もう私の庭なんだから」
神様が仕事を辞めてクレープを食べているという、究極の脱力感(笑)。
「ポイント無限増殖」という、神様直伝の裏技を手に入れたリィナに、もはや怖いものはありません。




