第2話:『最弱の村を、秒速で楽園に書き換えろ』
召喚された先は、魔王軍に怯え、草一本生えない「絶望の村」。
普通ならここから地道な努力が始まるところですが……リィナに「地道」なんて言葉はありません。
「面倒くさいから、一気に終わらせるわよ」
0.1秒のタイムリミットを背負った少女の、爆速すぎる建国が今、始まります!
視界が開けると、そこは地獄のような光景だった。
ひび割れた大地。崩れ落ちた家々。
痩せ細った村人たちが、空っぽの鍋を囲んで震えている。
その周囲を、下級の魔物である「ゴブリン」の群れが、下卑た笑い声を上げながら取り囲んでいた。
「……ここが、私の国?」
リィナが呆れたように呟く。隣に控えるアルヴィスが、重々しく頷いた。
「はい。ここは『始まりの地』。世界の崩壊が最も進んだ場所です。主よ、あなたの力でこの絶望を――」
「あー、わかった。説明はいい。要するに、ここを住みやすくすればいいんでしょ?」
リィナは一歩前へ出た。
ゴブリンの一匹が、獲物を見つけたと言わんばかりにリィナへ飛びかかる。
「ギギッ!」
「うるさい」
リィナが指先を軽く振る。それだけで、飛びかかったゴブリンは分子レベルで分解され、光の粒子となって消えた。
彼女はそのまま、空中に向かって複雑な幾何学模様――「印」を描き始める。
「ええっと……(印:土壌豊穣)×(印:構造再生)×(知識:全自動都市設計)。ついでに、(世界の声:投げ銭ボーナス)も乗せちゃおうかな」
【システム:投げ銭1,000Gを確認。魔力倍率が100倍に上昇します】
「……よし。――【レガシー・オーバーライト:一括更新】」
リィナがパチンと指を鳴らした。
次の瞬間、轟音が響き渡り、村の景色が「書き換え」られた。
ひび割れた大地からは瑞々しい緑が噴き出し、ボロボロの小屋は白亜の石造りの邸宅へと変貌する。泥水だった井戸からは聖水が溢れ、村の周囲には難攻不落の「時空障壁」が展開された。
わずか数秒。
絶望の村は、大陸のどの王都よりも美しく機能的な「楽園」へと作り変えられた。
「……なっ!? 神よ……これは奇跡か!?」
腰を抜かした村長が叫ぶ。
リィナは鼻を鳴らし、アルヴィスに向き直った。
「とりあえず、寝床は確保したわよ。次は……そうね。あの、遠くでこっち見てる魔王軍の軍勢が邪魔なんだけど。あれ、消していい?」
「……御心のままに。我が主よ」
アルヴィスは畏怖の念を抱きながら、深く首を垂れた。
第2話、いかがでしたか?
「建国」というより、もはや「世界改変」レベルのスタートダッシュ!
投げ銭で魔力が100倍になる快感は、リィナ本人よりも見てる読者(運営側)の方がハマっちゃうかもしれませんね。




