第14話:『代償は幼女化? ―ちっちゃくなっても掛け算です―』
世界の電力を自給自足するという神業を成し遂げたリィナ。
しかし、その凄まじい負荷は、彼女の肉体を「幼児退行」させるという思わぬ副作用をもたらしました。
見た目は子供、中身は最強。
舐めてかかったゼノンと、調子に乗った運営に、ちっちゃな指先が「死の演算」を叩き込みます!
「……なんか、視線が低くない?」
世界を再起動させた直後、リィナは自分の異変に気づいた。
袖はだらりと伸び、履いていた靴はブカブカ。お気に入りだった現代のパーカーは、もはやワンピースのような丈になっている。
「主よ……!? なんという愛くるしいお姿に……! いや、しかしこれは……!」
アルヴィスが鼻血をこらえながら悶絶し、ゼノンはスマホを落として固まった。
「ボス、お前……若返りすぎて『園児』になってんじゃねーか! 世界の電源になるなんて無茶するから、因果律がバグって肉体が巻き戻ったんだよ!」
「……うるさい。声が響く」
リィナ(5歳Ver.)は、短い足でぺたぺたと歩き、鏡を見た。
ぷにぷにの頬、大きな瞳。どこからどう見ても無垢な幼女だが、その瞳に宿る「面倒くさそうな殺意」だけは現役のままだ。
「(印:成長加速)……あ、ダメ。魔力を全部世界の維持に使ってるから、自分を治す魔力が足りないわ」
「はっはー! ざまぁみろボス! その姿じゃ、威厳もクソも――」
ゼノンが勝ち誇ろうとした瞬間、リィナが小さな指先を彼に向けた。
「(印:触覚倍増)×(印:くすぐり地獄)×(幼女ボーナス:あざとさ1000倍)」
「ぎゃああああ!? 待て、やめろ! 笑いすぎて死ぬ! 腹筋が、腹筋がちぎれる!!」
のたうち回るゼノンを冷たく見下ろしながら、リィナは短い手でゼノンのスマホを奪い取った。
「姿が変わっても、計算式は変わらないわよ。……あ、運営からメッセージ。……『今の姿、スクショしました。弱み握ったw』だって。……アルヴィス、運営のサーバー、物理的に叩き割ってきて」
「御意にございます、リィナ様(小)!!」
幼女化したリィナの、さらに理不尽な新生活が幕を開けた。
第14話、ありがとうございました!
まさかの幼女化展開ですが、中身が一切丸くなっていないのがリィナらしいですね(笑)。
「幼女ボーナス」という謎の補正まで使いこなすあたり、彼女に死角はありません。
次回、本日ラスト(夜分)の第15話は「ちっちゃくなったリィナを狙って、運営が『保護者』を名乗る偽の父親を送り込んでくる話」をお届けします!




