第13話:『世界の電源を抜かせない。 ―強制終了への逆光―』
経済をパンクさせられた運営が、最終手段「物理的なシャットダウン」を決行。
世界が闇に包まれ、すべてが無に帰そうとしたその時。
リィナが放ったのは、自分自身を世界の「電源」に変えるという、システム管理者の理解を超えた反逆でした。
「……あ、画面が暗くなった」
リィナがスマホで新作ゲームをプレイしていると、突如として画面が真っ黒になり、「No Signal」の文字が虚しく点滅した。
それだけではない。青空だった空が、まるで古いテレビの電源を切った時のように、端からパチパチと闇に飲み込まれ始めたのだ。
「ボス! 大変だ、今度こそ終わりだぞ!」
ゼノンが腰を抜かしながら部屋に飛び込んでくる。
「運営の野郎、サーバーがパンクしたからって、この世界の電源コードを直接引き抜きやがった!」
「……私のゲーム、セーブしてなかったんだけど」
リィナの周囲に、静かだが底知れない殺気が渦巻く。
アルヴィスが即座に膝をつき、その殺気に呼応するように大鎌を抜いた。
「主よ、もはや容赦の必要はありません。この世界を消そうとする『天の手』、私が叩き斬ってまいります」
「いいわよ、アルヴィス。斬るより、繋ぎ直したほうが早いでしょ」
リィナはテラスへ出ると、闇に侵食されゆく空に向かって両手を広げた。
彼女の背後に、巨大な世界樹が呼応するように黄金の輝きを増す。
「(印:電力供給)×(印:永久機関)×(投げ銭:100万コンボ)」
リィナの指先から、現実世界とこの世界を繋ぐ「概念の導線」が伸びていく。
彼女は、運営が引き抜いた「電源プラグ」を、自分の魔力で無理やり掴み取った。
「――【レガシー・プラグイン:自家発電】!」
リィナが指をパチンと鳴らす。
次の瞬間、消えかかっていた空に強烈な光が戻り、闇が押し返された。
運営の用意したコンセントではなく、リィナ自身の存在を「電池」にして、世界そのものを再起動させたのだ。
【運営エラー:外部電源を検知。制御不能。このユーザー、何なの……!?】
「これでよし。……ねえゼノン、私のセーブデータ、復旧させといて。1秒以内に」
「無茶言うなよ! ……でも、あんたが電源なら、もう誰もこの世界を止められないな」
リィナは再び椅子に座り、明るくなった画面を見つめた。
運営の電源喪失という「絶対の終わり」すら、彼女の掛け算の前ではただの停電に過ぎなかった。
第13話、ありがとうございました!
「電源を抜かれたら自分で発電すればいい」という、リィナらしい力技(笑)。
セーブデータが消えた怒りで世界を再起動させるあたり、彼女の優先順位がよく分かりますね。




