第12話:『新通貨「レガシー」発行。 ―経済崩壊(インフレ)の引き金―』
人口急増に伴う経済混乱。
リィナが解決策として提示したのは、自身の魔力を担保にした「寿命と交換できる通貨」でした。
あまりに強すぎる価値を持ったそのコインは、人間界のみならず、運営の処理能力すらもオーバーフローさせていきます。
「……ねえ、ゼノン。この世界のコイン、重いし汚いから嫌なんだけど」
住民が数万人に膨れ上がった要塞都市。市場では隣国の金貨や魔物の牙が入り乱れ、決済がメチャクチャになっていた。
「ボス、それを解決するのが『通貨』だろ。何とかしてくれよ、こっちは計算が合わなくて徹夜なんだ」
リィナは面倒そうにスマホの画面をタップした。
「わかったわよ。じゃあ、この要塞の全エネルギーを担保にしたデジタル通貨を作るわ。(印:価値固定)×(印:無限分割)×(世界の声:投げ銭ログ)」
リィナが空中に指を走らせると、全住民のスマホ(ゼノンが配布したもの)にキラキラと輝く通知が届く。
【通知:新通貨『レガシー』が発行されました。初期配布:100,000L】
「おいリィナ! 10万なんて大金を全員に配ったら、価値が暴落して紙クズになるぞ!」
ゼノンが真っ青になって叫ぶ。しかし、リィナは鼻で笑った。
「暴落? させないわよ。この『レガシー』は、私の魔力と直結してるの。1レガシーにつき、現実世界の『0.1秒』を『1分』に引き延ばす権利(魔力)が付与されてる。つまり、持っていればいるほど長生きできるってこと」
瞬間、要塞中の空気が変わった。
寿命と直結した通貨。それは金よりも、ダイヤモンドよりも重い「絶対的な価値」を持つ。
「……あ、運営のサーバーからエラー通知が来てるわ。『存在しない価値を市場に流すな』って。うるさいから、運営の銀行口座に『無量大数レガシー』を送りつけてパンクさせておいたわ」
【運営メッセージ:サーバー負荷が限界です……処理が……追いつきま……せ……】
「さあ、これでみんな必死に働くでしょ。私はその間に、新しいゲームの続きでもするから」
リィナの生み出した最強の通貨は、運営の経済システムすらも「掛け算」で粉砕していった。
2日目の3投稿、完走です! お疲れ様でした!
「お金で寿命が買える」なんて、リィナにしかできない禁じ手ですね(笑)。
運営のサーバーを「お金」で物理的にパンクさせるという、最高に皮肉な攻撃が決まりました。




