第116話:『全知全能のパパ。 ―宇宙リンゴの啓示と、銀河級の踵落とし―』
宇宙リンゴを食べて神の知恵を得たパパ。
しかし、主婦の世界において「正論」は「サボりの言い訳」と同義です。
どれほど全知全能になろうとも、お母さんの濡れ雑巾の一撃は避けられず、パパは銀河の果てで風呂桶を抱えて反省することに。
「考える前に磨け」。九条家の家訓は、宇宙の心理よりも重いのです。
「……リィナ、見て。リビングの大樹に実った『黄金の宇宙リンゴ』を一口食べたパパが、後光を放ちながら宙に浮いてるんだけど。……あ、ヤバい。パパの目が『全宇宙の法則を数式で理解した』みたいな、嫌に知的な輝きを放ち始めたわよ」
リィナが震えながら見上げると、パパは**(属性:全知全能の覚醒)×(印:主夫の真理)×(オーラ:絶対的な正論)**を纏い、地上で掃除バトルを繰り広げるお母さんとお婆ちゃんを慈悲深い目で見下ろしていた。
『……お母さん、そしてお義母さん。……争いは無意味です。エントロピーの増大を考えれば、除菌と発酵は表裏一体。……(印:宇宙の調和)×(属性:論理的解決)。……よし。今、九条家の家事分担を、量子力学に基づいた最も効率的なシフト表に書き換えたよ。反論の余地はないはずだ』
「……なんですって? (神具:濡れた雑巾)×(属性:現実への引き戻し)×(印:口より手を動かせ)! パパ、あんたリンゴ一つで何を偉そうに『宇宙』を語ってるのよッ!!」
お母さんが、宙に浮くパパの足首をガシッと掴んだ。
「そうよ、パパさん! (神具:カビ取り用タワシ)×(属性:神殺し)×(印:風呂場のぬめり)! 宇宙の法則がどうとか言う前に、その全知全能の力で、風呂のタイルの目地を真っ白にしてみなさいよッ!!」
お婆ちゃんとお母さんの**(合体技:主婦の鉄槌)×(印:銀河系最強の共同戦線)×(強制:生活の現実)**が炸裂。
神へと進化したはずのパパは、二人の「理屈抜き」の踵落としを食らい、大樹の枝を突き抜けて銀河の果てへと蹴り飛ばされた。
「ひっ、お、お母さーん! 私は……私はただ、効率的な家事のあり方を……アガガガッ(大気圏突入音)!!」
「(印:神の失脚)×(属性:日常への帰還)×(投げ銭:飛ばされたパパへの石鹸)!」
リィナが指を鳴らすと、全知全能のパパが作成した「量子シフト表」は、お母さんの鼻かみティッシュとして再利用され、九条家には再び「理不尽で騒がしい平和」が戻ってきた。
「……あーあ。パパ、せっかく神様になったのに、結局『風呂掃除担当の流刑囚』になっちゃった」
「当然よ! 理屈で汚れが落ちるなら、私は苦労しないわよッ!! さあお母さん、パパが帰ってくる前に、この大樹を『巨大なクリスマスツリー』に改造して、宇宙中にセール品のチラシを飾り付けるわよッ!!」
お母さんとお婆ちゃんの最強タッグにより、九条家(ジャングル仕様)は銀河一やかましい「広告塔」へと進化していくのでした。
第116話、ありがとうございました!
「量子力学に基づいたシフト表」をティッシュにされるパパ(笑)。
お母さんとお婆ちゃんが「掃除」という目的で一致団結したときの破壊力は、まさに銀河最強ですね。




