第109話:『惑星ティーバッグ。 ―天の川のミルク、緑の星の抽出―』
天の川をミルクティーに変え、惑星をティーバッグにするという、宇宙規模の「お茶会」。
お母さんにとって、惑星の文明など「紅茶のコク」を深めるためのスパイスでしかありません。
「太陽で沸かし、惑星で出し、銀河で割る」。
お母さんの圧倒的な抽出技術の前では、宇宙の平和も「一杯の紅茶」を飲み干すまでの静寂に過ぎないのです。
「……パパ、見て。窓の外が『ロイヤルミルクティー色』の激流になってるんだけど。お母さん、さっきまでジャングルが広がってたあの『緑の惑星』を、巨大な不織布のネットに入れて、宇宙の海にドボンと沈めて何してるの?」
リィナがスカイハウスのテラスから身を乗り出すと、お母さんは**(神具:黄金のティーレジ)×(属性:蒸らし時間厳守)×(印:渋みの排除)**を構え、惑星ひとつを丸ごと「巨大な茶葉」として、天の川の熱湯(※太陽で沸騰させた)に浸していた。
『リィナ。……お母さんは天の川のミルク(銀河の白濁)を見て、「これに合う紅茶がない」と嘆いてしまったんだ。……(属性:惑星丸ごと抽出)×(印:森林成分のテアニン化)×(事象:銀河ティータイム)。……よし。今、あの惑星の樹木はすべて「アールグレイの香り」へと再構築されたよ』
「ちょっと! 緑の星の住人さん! じっとしてなさいッ!! (神具:特大のティースプーン(銀河鉄道製))×(属性:空気を含ませる混ぜ方)×(印:ゴールデンドロップ)! 最高の香りを引き出すには、星を3回ゆっくり回すのがコツなのよッ!!」
お母さんが、ネットに入った惑星を宇宙空間で**(神具:巨大トング)×(属性:最後の一滴まで絞る)×(印:旨味の凝縮)**でギュウギュウと絞り上げた。
「ひっ、お、お母さん! 私たちは高度な文明を築く知的生命体ですよ! 街の街路樹を『茶葉の出が悪い』と剪定されて、煮出されるなんて聞いてませ――」
「うるさいわね! (お母さんのティーマナー)×(印:リラックス効果の強制)×(強制:上品なアフタヌーン)! 煮出された後は、あんたたちの星に『お砂糖(彗星の核)』をたっぷり降らせてあげるから、甘んじて受け入れなさいッ!!」
お母さんがおたまを一閃させると、天の川は芳醇なミルクティーへと完成し、宇宙中に「安らぎの香気」が爆散した。
「(印:無限の茶菓子)×(属性:ティーカップの銀河)×(投げ銭:ブラックホールへのスコーン投入)!」
リィナが指を鳴らすと、お母さんの紅茶に合わせて、全宇宙の住人が小指を立ててカップを持ち、優雅なティータイムを強制的に開始させられた。
「……あーあ。全宇宙の紛争が、お母さんの『お茶にしましょう』の一言で、ティーカップの中の嵐として収まっちゃった」
「いいじゃない、お茶の間が平和なら! さあパパ、次はお茶請けが足りないから、木星の『大赤斑』を『巨大な梅干し』に見立てて、おにぎりを作るわよッ!!」
お母さんの仕切りにより、銀河の理は「午後のティータイム」という主婦のルーチンワークに組み込まれ、惑星たちは「良い香りを出すための努力」を強いられるのでした。
第109話、ありがとうございました!
「惑星をトングで絞る」という、あまりにもダイナミックな抽出方法(笑)。
住人たちが「茶葉の出が悪い」と剪定される姿、もはやシュールの極致ですね。




