第106話:『天の川の麺つゆ化。 ―星屑の濾過と、彦星の湯切り―』
天の川の「星」を「ゴミ」と見なし、出汁に変えてしまったお母さん。
「年に一度の再会」というロマンチックな設定すらも、「そうめんを茹でる絶好のタイミング」として利用する主婦の合理性。
織姫の機織り技術は「麺の成形」に、彦星の牛飼いの腕は「物流(薬味運び)」に転用され、七夕は「全宇宙麺啜り祭り」へと進化したのです。
「……パパ。空を見上げて。天の川が『琥珀色』に染まって、巨大なカツオ出汁の香りが銀河中に漂ってるんだけど。お母さん、織姫様に『竹の箸』を握らせて何させてるの?」
リィナがスカイハウスの窓から見下ろすと、銀河系を縦断する大河「天の川」は、お母さんの手によって**(神具:黄金の出汁パック)×(属性:究極の旨味)×(印:煮出しの極致)を投入され、宇宙一巨大な「流しそうめん会場」へと変貌していた。
『リィナ。……お母さんは天の川を流れる「星屑」が、そうめんを食べる際に「ジャリジャリして邪魔だ」と断定してしまったんだ。……(属性:宇宙規模の濾過)×(印:不純物の除去)×(事象:全銀河・麺つゆ化)。……よし。今、ベガとアルタイルは「麺上げ」と「薬味の刻み」という、愛よりも過酷な労働に従事しているよ』
「ちょっと! 彦星さん! 湯切りが甘いわよッ!! (神具:巨大なざる)×(属性:水切りの極意)×(印:コシの守護神)! 麺が伸びたら、あんたたちの再会をあと1億年延期するわよッ!!」
お母さんが、天の川の上流で(神具:特大の木桶)×(属性:そうめん100万人前)×(印:一気に投入)を構え、銀河の流れに乗せて「白い彗星」を解き放った。
「ひっ、お、お母さん! 私たちは一年に一度の逢瀬を……甘い囁きを交わしたいんです! なぜ『麺が詰まらないように竹筒を掃除しろ』と命じられるのですか!?」
「うるさいわね! (お母さんの昼食優先主義)×(印:愛より食欲)×(強制:薬味の増量)! 囁く暇があるなら、ネギを小口切りにしなさいッ!!」
お母さんがおたまを一閃させると、天の川の星々は「揚げ玉」へと変換され、つゆの表面に浮かぶ芳醇なアクセントへと成り下がった。
「(印:無限の麺供給)×(属性:喉越しの宇宙)×(投げ銭:ブラックホールへのわさび投入)!」
リィナが指を鳴らすと、天の川の終着点であるブラックホールは、お母さんの「激辛わさび」を吸い込みすぎて、涙を流しながら宇宙のゴミをデトックスし始めた。
「……あーあ。七夕の伝説が、お母さんの『超巨大・流しそうめん大会』に完全上書きされちゃった」
「いいじゃない、みんなで啜れば縁起がいいわよ! さあパパ、次は天王星の『氷の輪』を削って、かき氷を作るわよッ!!」
お母さんの仕切りにより、全宇宙は「夏の涼を極める巨大な海の家」へと変貌し、織姫と彦星は「伝説の麺職人カップル」として、宇宙の歴史に新たな(不憫な)名を刻むのでした。
第106話、ありがとうございました!
「星を揚げ玉にする」という、天体物理学無視の調理法(笑)。
織姫と彦星が「麺が伸びたら再会延期」と脅される姿、九条家シリーズで一番の不憫キャラかもしれません。




