第1話:世界が止まった0.1秒間
はじめまして、あるいは「1000年ぶり」でしょうか。
もしも、あなたの目の前で突然「世界が止まった」としたら、あなたならどうしますか?
パニックになる? それとも、止まった世界を謳歌する?
最強すぎる個性のせいで、何が起きても驚かない女子高生・九条リィナ。
そんな彼女の「退屈な日常」は、教室の壁をぶち破って現れた一人の騎士によって、唐突に終わりを告げます。
「君が死ぬまでの0.1秒で、国を創れ」
あまりに無茶苦茶な宣告。
けれど、無気力な彼女の指先が「印」を結んだとき、物理法則すらひれ伏す最強の建国神話が幕を開けます。
爽快感200%! 指先一つで世界を書き換える、リィナの「面倒くさい」無双劇。
どうぞ、0.1秒の永遠にお付き合いください。
「……あーあ。今日も、なーんにも起きない」
九条リィナは、教室の窓から流れる雲を眺めていた。
現代最強の能力者――そんな仰々しい肩書きとは裏腹に、彼女の日常は退屈そのものだった。彼女の持つ個性は「時空操作」。あまりに強すぎる力は、彼女から「驚き」も「スリル」も奪い去っていた。
チャイムが鳴り、教師の話し声が遠のく。
その瞬間だった。
「――見つけたぞ。1000年、この時を待っていた」
ドォォォォォォン!!!
突如、教室の壁が内側から爆ぜた。
粉塵の中から現れたのは、漆黒の甲冑に身を包んだ大男。その背には、巨大な断頭大鎌を背負っている。
「……誰? コスプレの撮影なら、屋上の方が光がいいと思うけど」
リィナが欠伸混じりに答える。だが、男の瞳は真剣そのものだった。
彼はひざまずき、リィナの手を取る。
「我が名はアルヴィス。かつてあなたを殺し、そしてあなたを愛した処刑卿だ。九条リィナ、あなたの時間は、今この瞬間に終わる」
「え、死ぬの? 私」
「いいえ。終わらない0.1秒へと、あなたを招待しに来た」
アルヴィスが鎌を振るった瞬間、世界から「色」が消えた。
教室の黒板、騒いでいたクラスメイト、窓の外を飛ぶ鳥。
それら全てが、まるで静止画のように固まり、灰色のノイズに包まれていく。
「……何、これ」
「世界のシステムが、あなたの肉体の死を感知した。だが、俺がその魂を強引に引き抜いたのだ。ここは、現実世界の時間が0.1秒進む間に、1000年の歴史が流れる『特異点』」
リィナの足元に、巨大な魔法陣が浮かび上がる。
空中に浮かぶデジタルなカウントダウン。
『00:00:00:09』
「主よ。この0.1秒が過ぎ去るまでに、あなたはここで『世界』を創らねばならない。そうでなければ、あなたの魂は消滅する」
「……はぁ? 意味わかんないんだけど」
リィナは面倒そうに頭をかき、目の前の空中を指先でなぞった。
直感的に理解する。ここは自分の「掛け算」が通用する世界だ。
「よく分かんないけど……。その0.1秒を、永遠に書き換えればいいんでしょ?」
リィナが指先で描いた「印」が、黄金の光を放つ。
退屈だった彼女の瞳に、初めて好奇心の火が灯った。
「いいわよ、やってあげる。……ただし、私の建国は、ちょっと過激よ?」
【システム:聖女リィナのログインを確認しました】
【世界の声:『うお!始まった!』『マジで1000年待ったわw』『投げ銭テスト:100G』】
灰色の世界に、鮮やかな色彩が爆発するように広がっていく。
九条リィナの、そしてアルヴィスの、1000年越しの「0.1秒の建国記」が幕を開けた。
リィナが最初に降り立つのはどんな場所がいいですか?
A:魔王軍にボコボコにされている「最弱の村」
B:草一本生えていない「絶望の荒野」
C:なぜか豪華なベッドだけがある「謎の神殿」
コメントで教えてください!次回の展開に反映されるかも……!?




