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石井さん家の妹さん  作者: 小倉十和
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過去編~妹~


なにが楽しかった?と言われるとなにが楽しかったんだろう。

それとなく、人にも好かれて毎日が充実していた。


いつからだろう。


いつから間違えたんだろう。



うん、いじめた子を庇ったからかな。


助けたからかな。



痛かった。苦しかった。

感情がなくなるってこういうことなのかも知れない。


本当の出来事は加害者と被害者しか分からない。

第三者が分かるはずもない。


変に曲げられた独り歩きした私の話も。


戻らない足の痛みも。


人への執着も。




『…………疲れたよ。』


『……杏奈、死ぬなよ。』


『やり直したいよ……。辛いよ。逃げたいよ。』


『……                   。』



そうあの日のあの言葉でもう少し耐えてみようかなって思った。









「おにーちゃああああああん!!!!!」


「うるせえええええ!!」


知ってる。当時お兄ちゃんが私のことを苦手だったってことも、


「お前今何時だと「それどころじゃないよ!!!!!!

 早めにいかないと物販混むって昨日いったじゃん!!!!」


のろのろ起きるお兄ちゃんを私は叩き起こす。

今度は私の番。


「はやく!!!はやく!!」


お兄ちゃんもいじめられて人を信用できないことも知ってる。

外に行くことを怖がっていることも。地元の同級生に会うことも。

ずっとずっと家の中にいることも。

だから今度は私の番!!


「お兄ちゃんが彼女出来るまでめいっぱい外へ連れてって遊んであげる!!」


支度を終えた兄を引っ張りだして、今日も元気にオタ活妹でした。







『杏奈。もしやり直しを求めるのならば、それは過去ではなく今だろう。

 やり残したことがあるならば、それは過去に戻ってやり直すのではなく

 この瞬間から成し得なかった願いを、築いていかなければならなんだよ。』



そうこの言葉でオタクになったとは過言ではない。


結果:)お兄ちゃんのおかげで生きる意味(オタク)を知りました。




PS:)「てか、今日どこいくの?」


   「え?神戸!」


   「……まじか。」




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