妹の対策
今日は清々しく絶好の農機具日和だ!!!!!
と休憩所にて一人職場で背伸びしていると
「おー、石井今日もやる気じゃん。」
と背中を先輩が叩いた。
「お疲れ様です。白土さん。」
と言うと『おう、お疲れ。』と返した。
この白土正樹さんは俺の4個上の直属の上司で本当に頼りにしている先輩。
白土さんがきたってことはなんか難しい案件がきたのかなーと遠い目をしていると
「石井、お前彼女いる?」
「…………は?」
一瞬思考が停止した。びっくりした。いやマジで。
俺に彼女??は??と白土さんの顔を見てると
「いや、この前ゲーセンに行ったんだけど隣に可愛い子いたじゃん。」
と言われてこの前……。この前……。
「あー妹ですよ。妹。」
と言うと目をキラキラさせて
「紹介して!!」
「え、いいっすけど……重度のオタクっすよ。」
「……え。マジか。」
と言う会話をしたことをその夜ゲームしている妹に話すと
カチカチカチカチ
「お兄ちゃん糞なの?そんなに妹を殺したい?は?なに?」
とコントローラーをカチカチ動かし、画面からは目を一切放さない。
すると数秒後テッテレーという音がした途端、妹はゆっくり目線を俺に向けた。
「会わないじゃん。」
「会ったときどうすんのよ。この同類め。」
と言うとまた画面に視線を戻し〇ボタンを連打し始めた。すると
「はい、ミスなしー。クリアー。」
「お前と一緒にすんな、重度のオタクが。」
「はい、レア~。うるさー、これだから同類は困るんだよ~。」
と妹は立ち上がり背伸びをし始める、少し柔軟したあとにくるりと身体を翻しこちらを向いて俺にしゃべりかけた。
「でも身バレ怖いし、そろそろ対策しなきゃと思ってたから次は大丈夫だよ。」
「どゆこと??」
「ふふふ♪まぁ次回のお楽しみ!」
----------------------------------翌週。
「なぁ、「この年齢分、彼女はいたことないっす。」
「まだなんも言ってねぇよ。」
と先輩はいきなりしゃがみ頭をかいた。
そして顔を上にあげ、
「一昨日ゲーセンで一緒に歩いていたイケメン男子は友達?弟?」
「えっと……。妹っす。」
先輩は俯き、いきなり大きな声で
「不覚にもときめいた俺の純情な心をかえせ!!」
と叫んだのだった。
PS:)もう一人の先輩は「お前の妹すげえな。」と言っていました。