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とある場所にて

短い割にかなり手こずってしまいました。

馬車に揺られる中、アレイヤの話を聞く。


引き渡されたノーセンは牢に放り込まれた。

しかし、今朝になって牢を監視していた兵士達とノーセンが殺されているのが発見された。


兵士たちは全て急所を一撃。

抵抗した様子も無く、相当な手練れの様だ。


そしてノーセンは牢屋の中で、数々の拷問の痕があったとの事だ。

そして首を落された。


彼の被害に遭った者の中に過激な者がおり、そいつが……と言えなくも無いが、リビアから聞いた被害で兵士達まで殺すとは思えない。

それに、わざわざ頭を持ち去る理由が無い。


一体誰が……。


―※―※―※―※―※―※―※―


ローブを羽織った中年の男性が1人、椅子に座り本を読んでいる。

部屋は暗く、ロウソクが1本、男のすぐ横にあるテーブルで小さく周囲を照らしていた。

そんな中でも男は構わず本を淡々と読み進めていく。


音もなくロウソクの明かりの前に誰かが現れた。


髪の毛は整えておらずボサボサで、生気を感じない程の白い肌をした、線の細い若い男だ。


ローブの男は、突然現れた色白の男に動じることなく、視線を本へと落としたまま口を開いた。


「終わったか」

「はい」


色白の男は右手に持った包みをテーブルへ置き、開く。

包みの中身は額に幾何学模様が描かれた男性の頭部……ノーセンだった。


ローブの男はちらりとノーセンの頭部に視線をそらすと、すぐに本へと戻した。


()()()め……欲の深い男だとは思っていたが……『力』を与えた途端に抜け出すとは……手間をかけたな」

「ご命令とあれば。それに、俺個人としてもミンサは許しておけぬ者でしたから」


ミンサはノーセンという偽名を使っていたが、指名手配された上に捕縛された事で色白の男に知られる事となり、今はこうして首を晒している。


「額の傷については、聞き出せたか?」

「はい、この傷はアレイヤという者につけられたそうです」

「そうか……」


この『力』は我々の秘匿された技術。

例え破壊されているとしても、額の魔法陣の情報を他所(よそ)の人々に晒すわけにはいかない。

だからこそ、わざわざミンサの頭を回収させたのだ。


ミンサ自体はさほど強くは無いものの、彼の『力』は相手が何も知らずに対峙したのなら、かなり強力な武器になる。

それが、陣を破壊されて戻ってきた。

しかも、()()10秒という制限を考えれば、迷わず陣を狙ったと考えるのが自然だ。

アレイヤという者は、魔法陣が『力』の源である事を知っている。


「更に、伝えておきたい事項が」

「何だ?」

「ミンサが言うには"『力』が通じなかった少女が居た"と」

「何?」


――通じなかった。

つまり事前に『力』についての知識があり、対策をしていた……と言う事になる。

アレイヤが魔法陣を破壊できたのも、その少女が関係している可能性は大いにある。


「銀髪、褐色の肌、黄色い瞳の少女で、名をクレイと」

「……」

「いかがされますか?」

「その2名、生かしてはおけないな……特にそのクレイという者は最優先だ」

さて、次はどうしましょうか……。

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― 新着の感想 ―
[気になる点] 前から思っていたのですが、クレイは剣だけでなく弓なども使っているので、神剣と言うよりかは神器とかにした方が、個人的に違和感がないです。 [一言] とても楽しく読ませていただいてます。頑…
[一言] 次はいつ頃になりそうですか?
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