ノーセンのチカラ
今回のスケベはこれで終了です。
「ふぅ……」
ノーセンは壁にもたれながら座り、充足と疲労からくるため息をついた。
彼の目線の先には、一糸まとわぬ姿のリビナが無造作に倒れてる。
小さく呼吸しているのが見て取れるので、死んでいるわけではない、気を失ってるだけだ。
リビナは元々慕う人間には素直に従う性格だったのだろう、あまりの従順さにノーセンはつい張り切ってしまった。
アレイヤもまた全ての肌を晒し、ノーセンの下で「忠誠の口づけ」を繰り返している。
彼女の熱のある吐息や、2つの大きく柔らかな感触が下半身から伝わり、何とも心地よい。
(まさかアレイヤを手に入れる事ができるとは……この『力』は素晴らしい)
アレイヤの肉体を好きなように堪能できると想像するだけで、興奮がせり上がってくる。
その様を見たアレイヤの「忠誠の口づけ」が更に熱を帯びたものになっていった。
「ねぇ、私には……くれないのかしら」
アレイヤは上体を起こし、ノーセンへとすり寄っていく。
ノーセンは今すぐにでも彼女を味わいたかった。
だが、そういうわけにはいかない。
アレイヤやリビアがノーセンに従うのは、勿論それが人生の目標だったからではない。
ノーセンの持つ『力』によるものだ。
相手を操る『力』、それがノーセンの持つ能力だった。
だが、この『力』には制約がある。
1つ。
対象となる人間と目線を10秒程合わせ続ける必要がある。
瞬きや、一瞬の視線の移動程度なら問題ないが、戦闘中にとなると厳しい。
戦闘が予想されるのであれば、10秒とは言わなくても、時間を稼いてなるべく視線を合わせていたい。
2つ。
効果は10分程度。
効果が切れる前に重ね掛けすれば制限時間はリセットされる。
そして重ね掛けすればするほど、効果が切れた時、その間の対象の記憶は曖昧になっていく。
3つ。
この『力』は対象に意識がある時のみ効果を与える事ができる。
その為、リビナの様に意識を失ったり、眠っている間は無理矢理瞼を開けて目線を合わせても重ね掛けする事が出来ない。
しかも、その間も制限時間のカウントは進んでいる。
この『力』を手に入れた時は「これで国すら手中に収める事が出来る」と思ったものだ。
だが、これらの制約により大人数相手にこの『力』を使うのは難しい。
対象を増やせば増やすほど、10分の制限時間を迎えそうな人々にひたすら重ね掛けして回ることになってしまう。
そもそも対象が寝てしまったら、もうどうしようもない。
リビアが目を覚ます頃には確実に制限時間は過ぎているだろう。
このままアレイヤを愉しんでいる内に、いつの間にか目覚めたリビアに背後から剣で斬られて殺される……というのは避けたかった。
ならば彼女が気を失っている間に移動してしまうのが賢明だろう。
彼女にもかなり重ね掛けを施している。
目覚めたところで自分が何をしたのか分からず、気絶している間にノーセン達が何処に行ったのかも当然分からない。
まんまと逃げおおせる事ができる。
しかも手元にはあのアレイヤがいる。
最早怖いもの無しだ。
「いや、移動するぞ。服を着ろ」
「……分かったわ」
アレイヤが名残惜しそうにノーセンから離れ、服を着る為に散らかった衣類や装備を拾い集める。
勿論、このままではアレイヤもいつかは『力』から解放される時が来てしまう。
それは流石に惜しい。
『力』が効いている内に急いで隷属の首輪を手に入れ、付けてしまおうか。
そうすれば仮に睡眠や気絶で制限時間を過ぎてしまっても、簡単に再び『力』を使う事が出来る。
妙な取引をして足が付くのは避けたいが、アレイヤにはそれだけの価値がある。
ノーセンもズボンを履き、荷物をまとめる。
まとめ終った頃にはアレイヤも服や鎧を着て、ここに来る前の格好に戻っていた。
「ねぇ、ちょっといいかしら?お預けされて我慢するの結構キツいんだけど」
ノーセンはアレイヤの尻を掴み、円を描くように動かす。
小さな喘ぎ声を繰り返す彼女の耳元でノーセンが囁いた。
「我慢しろ、落ち着いたら俺の気が済むまで"俺"を刻み込んでやる」
ありとあらゆる方法で徹底的にアレイヤを愉しむ瞬間が来るのが待ち遠しい。
念の為アレイヤに重ね掛けをした後、2人は並んで洞窟の外へと歩き始めた。
その直後、誰かが通路から現れた。
「う~酷い目に遭ったよ……アレイヤさん達は……あれ?」
そこには銀色の髪、白いワンピースに胸当てを付けた少女が居た。
アレイヤの貞操は多分守られました。




