依頼が終わってまた始まって
全然学校できなくて申し訳ありません。
クレイの尊厳的な何かという甚大な被害こそあったものの、結果だけ見れば負傷者も軽微、全員生還で脱出する事ができた。
ダンジョンは永久封印。
元々「モンスターは居ない、安全だ」という前提で使われていたダンジョンなのだ、当然の措置だろう。
問題と言えば……。
「依頼の……終了?」
記憶ではまだ1ヶ月程この学校に居る予定のはずだ。
「はい……レイグラッドお兄様に「お前をこれ以上危険な目に遭わせるわけにはいかない!」と泣き付かれてしまいまして……」
実地研修の後、リーナとレジーナは1日だけだったが外出をしていた。
おかげで「貴族が利用する寮」という快適な家で平和な日を過ごせたのだが、そういう事だったのか。
ちなみにアレイヤはレイグラッドという人物を知っているらしく「あいつが泣き付くなんて」と終始ニヤニヤしている。
「この学校に来てから色々と危ない目に遭いましたが……こうなると名残惜しいものですねクレイさんのお着替えとか、クレイさんのお着替えとか……」
おいこら。
「とにかく、クレイさんへの依頼はこの学校を出て終了ということになります。もし何かあればまたご依頼させてもらいますね。頼りになる歳近い冒険者というのは私としても非常に貴重なんです」
その後はというと、リーナと学校長との挨拶の間置物となり、リーナとの契約が終了するという話を聞いた何というか「フッ」みないなのを5分に1回言いそうなヤツに「メイドにならないか?」という依頼を断り、一部のクラスメイトから別れの挨拶を貰い、一度も顔を合わせた記憶の無いオドオドした下級生から「付き合って欲しい」という願いを断り、「自分にもダンジョン脱出後の景色を見たい」と男子生徒達の股間を蹴り飛ばしたりと一気に色々な事があった。
その間にレジーナが寮からの退去の準備を行い、今はルガルトルガ学校を出て、首都にあるアレイヤは宿泊している宿屋の前に居る。
「メルボアまでの馬車の手配は本当に要らないのですか?」
「大丈夫大丈夫、クレイちゃんは私がちゃんと送り届けるから」
「アレイヤさん、ありがとうございます。では私はレイグラッド兄様が待っていますので……」
リーナは一礼し、豪華な馬車へと乗り込む。
「あ、そうでした。レジーナに頼んで、クレイさんの荷物にあのメイド服を入れておきましたので、これからも是非着て下さいね」
「え?嘘!?いつの間に!?」
リュックを開くと、見覚えのない袋が入っており、その袋を開くと確かにメイド服が入っていた。
自分で荷物をまとめ終わってから一度もリュックは手放していないはずなのだが……。
レジーナ……侮れないメイドだ。
自身の目でクレイにメイド服が渡ったのを確認できて満足したのか、リーナは笑顔で手を振りながら馬車で去っていった。
「アレイヤさんの馬車はいつ来るんですか?」
「ん~、3日後ってところかしら」
「意外と余裕がありますね」
「せっかくの首都だったし、だから1つくらいギルドで依頼を受けてみない?冒険者のクレイちゃんが居れば受注できるでしょ?」
アレイヤ活躍回でした。
次回も活躍できるといいですね。
あ、次はスケベ回です。
誰のスケベなんでしょうか。
自分には見当もつきませんね。
 




