実地研修①
以前の投稿から相当魔が空いてしまい、申し訳ありません。
何とか続きを思いついたので読んで頂けると幸いです。
あれから2日程経った朝。
そろそろ大丈夫だろうか。
上半身を起こし、ベッドから恐る恐る床に足を下ろす。
つま先を付け、次にかかとを置く。
軽く足踏みを行い、感触を確認する。
ゆっくりと両足に体重を載せ、慎重に立ち上がり、再び軽く足踏み。
ふらつく事無くしっかりと足踏みができている。
「よし、大丈夫そうだな」
軽い運動をし、体の調子を確かめる。
――万全とまではいかないが、日常生活でリーナの手を借りる必要は無さそうだ。
というかカンベン願いたい。
朝食を取るために食卓へ向かうと、リーナとレジーナの他にもう一人。
アレイヤだ。
「おっはよー、クレイちゃん」
元気に右手を振りながら貴族とは思えない軽い挨拶だ。
首から吊るされていた右腕はすっかり治ったようだ。
「凄い事が起きたって聞いてね、様子を見に来たのよ。動けなくなったって聞いたけど、もう大丈夫なの?」
「えぇ、まぁ、オカゲサマデ」
あんな時やこんな時のリーナを思い出し、何だか背筋がゾワっとした。
「そう、それは良かったわ」
「クレイちゃんもどうぞ朝食を」
リーナに促され、席に座る。
レジーナがテキパキと目の前に朝食を並べていく。
テーブルでの朝食、何だか久しぶりに感じる。
「クレイちゃん、もう大丈夫なのですか?本当に大丈夫ですか?」
「大丈夫です、いやホントに……」
リーナがやたらと食い下がるが、度を超えたスキンシップは変な扉を開きそうなので却下する。
なので、別の話題を振ることにした。
「学校の方はどうなりましたか?」
「近々再開する予定だそうです」
あの悪魔による影響は思いの外少なく、今では多くの生徒達も落ち着きを取り戻している、との事らしい。
リーナにセクハ……お世話をしてもらっている間にリーナを狙った連中の捕縛もレジーナから聞いている。
仮に残党が居たとしても、リーナの兄から明確な拒絶を受けた事で大人しくなるだろう……との事だ。
「再開後の修行ですが……校内にあるダンジョンを踏破する実地研修だそうです」
「この学校、ダンジョンあるんですか!?」
危なくないのだろうか?
「ダンジョンの中にはモンスターは居ないそうですよ?」
クレイの反応からリーナが察して補足の説明をする。
しかし、モンスターが居ないダンジョン……そんなダンジョンがあるのか。
「更に今回は例の騒ぎもあって特別措置をとるそうです」
「特別措置、ですか?」
「はい、なんでも『実地研修の間に限り、もう1名追加で随伴させる事を認める』との事です」
「なるほど……」
大方、例の騒ぎで生徒の親が安全に対して不安を訴えたのだろう。
「へぇ……何だか暇を潰せそうな内容じゃない」
横で話を聞いていたアレイヤがニヤリと笑った。
続きが出来上がり次第、内容をチェックして投稿します。




