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クレイ対『紅の爪』②

何故かどういった内容にするか凄い悩みました。

「当たらねぇ!」

「この娘本当に9等級なの!?」


バルガスとラルミアの剣が躱され、ナイフで弾かれる。

ルタールの矢もリリタの魔法も空を穿つばかりだ。

クレイにとって彼等の攻撃は触手モンスターに比べれば何という事は無い。


しかしどうしたものか。

彼らに対して恨み辛みがあるのは確かだが、流石に道端に4人の死体を並べるのは流石にまずいだろう。


(仕方ない……)


ルタールには頭に小石を投げ、リリタとルルミアのみぞおちに拳を叩きこんだ。

バルガスには……股間に蹴りを入れた。

コイツには股間へ一発入れておいた方が良い、そんな気がした。


「ホッ…オガッ……な、何で俺だけ……」


バルガスは悶絶しながら崩れ落ちる。

痛みは非常に、非常に分かるが……ここは因果応報ということで考えない事にした。


「これ以上ボクに構わないで!」


『紅の爪』の面々が立ち上がる様子は無い。

もういい、関わりたくない、帰ろう。


※―※―※―※―※―※―※―※―※―※―※―※―※―※―※―※―※―※


「フッ……グッ……畜生……」


クレイが見えなくなってしばらくした後。

バルガスは何とか木にもたれ掛かりながらなんとか立ち上がった。

あれが最弱判定を受けた9等級?何かの間違いだ。

2等級の俺達が手も足も出なかった。


しかしまずい、クレイに隷属の首輪を付ける事は造作もないと考えていた為、取り逃がした時の事を考えていなかった。

もしギルドにこの事を報告されたら……。


「クソッ……!」

「首輪さえ付けられたらどうにでもなったのに……ってトコかしら」

「なっ……誰だ!アガッ!」


後ろから声に振り向くと同時に、声の主に殴り飛ばされた。


「あ、アレイヤ……!」


またこの女だ。

ヤバイ、見つかってはいけないヤツに見つかってしまった。


「その首輪、一体何かしら?教えてくれないかな~?」

「こ、これは……」


バルガスが答えに詰まっていると、街の方から兵士が数人走ってきた。


「アレイヤ様!遅れました!」

「ホントに遅い!もうちょっと気張って走りなさい!」

「申し訳ありません!(そんな無茶な……)」


まずいまずいまずい!

どうすればいい!?どうすれば……!

捕まりたくない、俺は1等級の冒険者になって……!

せめてアレイヤさえ、アレイヤさえどうにか……!


追い詰められたバルガスは突飛(とっぴ)な行動に出た。


「うおおおおッ!」


隷属の首輪を握りしめ、アレイヤに跳びかかる。

どうにかしてこの首輪をアレイヤに付け、この場をどうにか切り抜けようとした。


阿呆(あほう)ね」


一閃。

隷属の首輪を握りしめたバルガスの右腕が切り落とされた。


「ギャアアアッ!アグッ……ウグッ……」


アレイヤは地面に転がった右腕から首輪を奪い、兵士に投げ渡す。


「どう?」

「……間違いなく非正規の隷属の首輪です!」

「そう、使えないように契約の刻印を証拠になる程度に破壊しておいて」

「はい!」


兵士が隷属の首輪の刻印をナイフで削る。


終わった。

こんなところで終わりたくない!

こうなってしまえばギルドから追放され、牢屋で過ごすことになる。

アレイアが現れなければ!

クレイが大人しく首輪を付ければ!

全て上手くいったハズだ!

そうなるくらいなら、首輪と一緒に闇商人から()()で……!


バルガスはポーチから2~3センチほどの赤い球を取り出し、口の中に入れた。

食べ物には到底思えない材質と大きさの玉を、飲み込んだ。


「バルガスさん!今の玉は!?」

「ソレ何よ!?」

「バルガス!お前何を!?」


アレイヤにも赤い玉の正体が分からない。

他の『紅の爪』面々が知らない赤い玉、なんだかヤバイ気がする。


「バルガスだったわね!アンタ今飲み込んだ玉は一体何なの!?」

「ゲホッゲホッ……」

「答えなさい!」

「……」

「答えろッ!」

「……あぁ、()()()()()()()()()()

「何を言って……望むって何を!?アンタ誰と話しているの!?」


バルガスが何かに同意した途端、他の『紅の爪』の面々が苦しみだした。

身体から(もや)の様なものが吹き出し、干からびていく。

靄はバルガスへ集まり、バルガスがそれ吸い込む。

肌が赤黒く変色し、斬られた右腕がボコボコと生え変わった。


「生贄ってヤツかしら……コレ、ヤバいわね……!」

「アァ、思ッテイタヨリイイ気分ダ」


バルガスが立ち上がる、明らかに体が一回り大きくなっている。


「くれい……!後悔サセテヤル!犯シテヤル!跪カセテヤル!ダガ、ソノ前ニ……」

「これは流石にワクワクしてられないわね」


アレイヤが構える。

バルガスから不気味な圧をピリピリと感じている。


「あれいや、マズオ前ダ」

この先の展開も悩んでおります。

主にスケベにするかしないかで。

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