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エピローグ
いよいよ最終章になりますが、ものすごく短くなってしまいました……。
東北へむかう街道。
チラチラと小雪が舞っている。
「寒いな……」
善吉はとぼとぼと歩いている。一人で。
気の抜けた、途方に暮れた顔。
ふと立ち止まって、まわりを眺める。
枯れ木と荒地だけの寂しい景色。人っ子一人おらず、虫の声さえ聞こえない。
善吉は懐から印籠を取り出し、不安を消す妙薬を飲もうとする。
「………」
だが思い直して、印籠ごと道の外に放り捨てる。
「忍びには二人行くこそ大事なれ。独り忍びに……」
そしてまた、長い一本道をとぼとぼと歩き出す。
これにて完結です。
最後まで読んでいただき、ありがとうございました!
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