文豪、キンキンキンを語る ~坪内逍遥 浮雲 序~
”「聞きなれない言葉を笑い、全体を批評するのではなく、枝葉末節の欠点のみをあげつらうのは、批評家の馬鹿さと美意識のなさを示してるだけである。」と、誰か知らないが、昔の人は言った。
我が国の文壇を見るに、自称批評家がそこら中にいるが、多くは感情の奴隷で、自分が好きなのを褒め、嫌いなのを貶すだけだ。辛党が酒を褒め、甘党が牡丹餅を褒めるのと変わらない。
薄味好きは洗魚(刺身の一種)をよしとし、濃い味好きは酒の肴をよしとするが、どちらも真の味を知る食通とは言えない。どっちが食通か争ってマウント取り合うとかアホかと。
まして小説は本来、様々な種類があって、辛いもの、酸っぱいもの、甘いもの、苦いもの、いろいろあるのに、自分の好き嫌いで頭ごなしに否定するのは、実に心無い極みである。”
(オレ訳)(*)
明治20年(1891) 浮雲 第一篇 序文 春の屋主人(坪内逍遥のペンネーム)
坪内逍遥
「まるで成長していない………」SLAM DUNK 井上雄彦
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(*) 「浮雲」は二葉亭四迷作と言われているが、この後、 「(二葉亭)四迷との合作ってなってるけど、すこしアドバイスしただけだから、ホントは四迷が書いたから」と出てくる。初版の名義は確かにそうなっている。というか表紙・中表紙は坪内雄蔵(本名)の名しかない。知らんかった。
たぶん文学部とかの人には常識だと思われるが、100年以上前の言葉がはまりすぎててワラタ。
自分にも刺さるが。
出典・参考
浮雲 二葉亭四迷 (青空文庫)
https://www.aozora.gr.jp/cards/000006/files/1869_33656.html
新編浮雲. 第1編:国立国会図書館デジタルライブラリー
https://dl.ndl.go.jp/info:ndljp/pid/885481
wikipedia (坪内逍遥 写真)