序章
紀元前100年。魔法を極めた王「ソロモン」は、神すら創り出した。魔神七十二柱の名前にちなんだ名前を与え、自我を持たせ、王になった者には願いを一つ叶えるというプログラムを差し込んだ。後に人々はそれらをこう呼ぶ。機械仕掛けの神≪デウス・エクス・マキナ≫と。
西暦2040年。神谷市立高等学校に在籍する16歳の少年、「化神 光」は、何の変哲もない普通の高校生。といっても、この学校は普通ではない学校で「普通」と評価されている。
容姿は黒に近い紺色の髪に、黄色がかった赤い目。身長は170と他から見ると少々小柄である。
性格は正義感が強く、非常に負けず嫌いだが、どこか退屈そうな雰囲気を醸し出す。
そんな彼にも、願いはある。とはいえ、人に話すことでもないのでその話題になると、少しぼかしてしまう。通学途中で出会ったいつも通りの友達とくだらない話をしながら登校する。すると突然、どこからか声が聞こえる。
「見つけた。願いを求める人。」
聞こえたのは一瞬だったので良く分からなかったが、空を見上げ、その声がした方向を探す。が、やはり気のせいか、そう思いながら足を踏み出す。
退屈な授業が終わり、夕方4時に差し掛かるこの時間から部活動が練習する。光は、部活に入っておらず帰宅部だったので、そのまま家に帰る。当たり前の日常を過ごして布団に入り、眠りについた。
夢を見ている。だが、視界にノイズが走り、よく見えない。どこか見渡せる場所へと移動する。が、いきなり視界が開けた。のだが、目の前の光景に、光は恐怖と絶望を覚え、怒りを露わにした。
「な、な、なんだよこれええええええええ!!!!!!」
いつも歩いていた通学路。毎日退屈に過ごしていた学校、そして我が家。
「誰か!誰か聞こえているなら返事をしろ!おい!!」
この絶望と呼ぶにふさわしい場所で生存者がいないか探し出す光。しかし、どこからも返事はなく、ただ彼の声が響き渡るだけだった。
地響きが聞こえる。何か鉄と鉄がぶつかり合うような激しい衝突音。その音がする方向へ急ぐ。
目の前にあるのは、とてもじゃないが信じられないモノが、そこにあった。
まるで神をイメージさせるような神々しさを持ちながら、それと同時に禍々しさを孕むそれは、ロボットにも見えた。
「な、・・・んだよ。特撮の撮影でもやってんじゃねぇのか?」
全長は肉眼だけだが、およそ60mはある巨大なモノ。
「やっと見つけた。新しい搭乗者≪アバター≫。No.7、『アモン』。あなたは、それに乗る資格を得た!」
その言葉と同時に目が覚めた。なんとも気味の悪い夢だったことか。しかし、あの女の子は一体?
そんなことよりも、喉が渇いていた光は、水を飲みにキッチンへ。飲んだ後また布団にもぐり、今度こそちゃんと寝れるように。そう願いながら瞼を閉じる。
雀が鳴いた。朝になった。昨夜はひどいものを見たなと、体を起こし、顔を洗い、歯を磨く。なんてことはない普通の生活、普通の日常。だが、昨日の夢が彼にとって、激闘の合図を奏でるその序章に過ぎないことを、彼はこの時知る由もなかった。