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プロローグ:退屈な日常とさよなら


―大人には嫌気がさしていた。

私の話を聞かず、無理やり勉強漬けにして有名私立大に受験させた両親。

…本当は私にも進みたい道があったのに。


一人も友達もできることもなく、私は大学を卒業するのだと、そう思っていた。


そんな矢先、一度でいいからやってみたかった「オンラインゲーム」をやる機会ができた。

大学の帰りに寄り道することは禁じられていたが、その日は一人で散策をしたい気分だったのだ。


「―へえ、こんなところにネカフェなんてあったんだ」


余り入ったことのない道を進むと、こじんまりとしたネットカフェを見つけた。


―キィ…バタン


(お客さん、いないのかな)


店内には人の様子が見当たらない。奥にいたメイド姿の少女がこちらに気付くとパタパタと足音を立てて駆け寄ってきた。


「こんにちは!勇者様!おひとり様ですね?」


―勇者?何のことだろうと思いつつ、メイドカフェで言うところのご主人様やお嬢様という意味と解釈し、私はうん、と答えた。


「こちらのワールドで"皆"が勇者様をお待ちしてますよ♪」


勧められた席にはデスクトップPCとふかふかのソファー。私は目立たないようかけていた伊達メガネを外し、さっそくPCを起動し―


―いや、起動は勝手に始まった。


「行ってらっしゃいませ♪勇者様♪」


―その、メイドさんの姿を最後に。


―私の日常は終わりを告げた。


…目が覚めると。私は森の中にいた。

服が、無い。…いや厳密には"着ていた服がなく、RPGなどでよく見る騎士のような恰好"になっていた。


赤いマント、銀の甲冑、赤いスカートに白いレース。銀のグリーヴ、もしやと思い急いで湖を探す。


―やっぱりだ。


"そこには今までの私の姿"は無く、"金髪ポニテで緑色の目の女騎士"が映っていた。


「うそでしょ…」


ペタン、と地面に座り込む。


はぁ…とため息をついていると、不意に草むらがガサガサと蠢いた。


「!?」


驚いてそちらの方を見る。なんだ、いったい何が出て―


「…人間の、女?」


そう言って草むらから出てきたのは、黄色と黒の縞模様の耳と尻尾を持った、少年だった。


―大人には嫌気がさしていた。

―そう、その反動で私は―

"ショタコンになってしまっていた"



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