Introduction
第一の関門を乗り切った大英帝国であったが、彼らが常に心のすみに置いていたことがあった。大英帝国が消失したあとのヨーロッパ大陸のことである。
第一に、英国がいなくなったあとに増長するであろうナチスドイツ。ヴェルサイユ条約を無視し再軍備を宣言したばかりのドイツは、攻撃的な言動とは裏腹に、まだ師団数が少ないことが英国の誇る諜報組織により明らかになっている。しかし、いずれは、あるいは、もっと早く「少数精鋭」から「多数精鋭」へと切り替わっていくことだろう。
第二に、英国という先の大戦の同盟国を失うこととなってしまったフランスである。先の大戦により人口比と出生率が冗談にもならないほどに傾いてしまったかの国は、それらなどの問題が原因となり、未だに先の大戦のトラウマに陥っている。政治もひどく不安定らしい。かの国は、ドイツへの警戒心を解けずにいる。自らに視線を向けさせないためにフランスはドイツにソ連を殴らせるために、多少のドイツの侵略も黙認するだろう。
その間にも、ドイツは強大化していくだろう。フランスに手に負えないほどに。
では、大英帝国の消失した、世界を見ていこう。
次回からイギリスのいなくなった世界の話をしていきます。がんばります。