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宣戦布告 3
「き……機銃をっ……掃射します!」
ジョンソンは言った。それに連なってホーカー・フューリーの編隊が、竜に向かって、機銃を一斉に掃射した。
何発か当たった。竜は怒り狂い、編隊に向かって火を吹き始めた。ジョンソンはポケットからカメラを出し、竜の写真を撮った。それが、彼の上官に言われた命令だったからだ。しかし、ジョンソンはそれでは満足出来なかった。彼は、隊長に無線を通じてこう言った。
「こちらジョンソン。あのケダモノを仕留めます。」
非常に冷淡な声だった。
「正気か?」隊長はたいそう驚いた。「アイツの口から出る火に飛行機ごと溶かされても知らんからな!」
隊長は無線を切った。
飛行機は軽々しく舞った。
竜の羽に数発お見舞いした。
操縦士の顔が一瞬見えた。
なんとまあ、驚いた顔をしていた
彼は後にこう書いている。
その後、英国空軍は本気を出し、英国本土の制空権を奪還した。ジョンソンはその時の航空戦においても、活躍することとなる。
反攻の火蓋が切られたのだ。