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転移、そして危機 3
他方、グレートブリテン島対岸、ノルドランテ大陸、デスピティオ帝国帝都、フーリエブルクにて。隣国では、狂王と呼ばれているフレデリキア王と、その側近が話をしていた。
「何ィ?帝国の沿岸に島が現れただとォ?」
「はい。陛下。」
側近は律儀に返事をする。
「どのくらい大きいのだ、その島は。」
「は。まだ測量船が出ていないので大きさを確定できませんが、おそらく、かなり大きいかと。」
王は狂ったような笑みを浮かべ言った。
「潰せ。我が物にせよ。」
と。
「陛下の仰せの通りに。神のご加護があられますよう。」
側近はそう言い、去っていった。
ブリテン島に、危機が近づいている。