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A quarter of the world  作者: 山本好史
3/8

転移、そして危機 2

「消えた、だと?それはどういうことだ?」

ボールドウィンは目を丸くして聞いた。マクドナルドは困ったような顔をして、

「そういわれましても、我々にも見当がつかないのです。ただ周りが海になったという情報しか……」

と言った。

 


 空はすでに白み始め、この島国の周りの海の視界はクリアになり始めていた。この国にしては珍しい宇宙が透けて見えるような快晴で、青空が広がっていた。大英帝国に異変が起きたことが知られるのも時間の問題である。



 ボールドウィンとマクドナルドが話をしていると、内務大臣のサー・ジョン・サイモンが顔を青くして、部屋に入ってきた。

「首相。えらいことが起きました。」

走ってきたらしく、声はかすれていた。

「今度は何だね……。」

ボールドウィンは呆れたように言った。

「ドーヴァー及びイギリス海峡沿岸の警察署から報告がありました。『こんなに空が晴れ渡っていて、海の視界のクリアなのに、フランス沿岸が見えない』と!」

ドーヴァー海峡沿岸、特にドーヴァーからは、海での視界が良ければ、対岸のカレーが眺められる。

「漁から帰ってきた地元の漁師も、『いくら南の方向に進んでも、フランスの海岸が見えない』と言っています。」

サイモンは机に手をつきながら言った。

「私もそんなことはあり得ないと思いました。しかし、それを裏付けるような証言や証拠が多すぎます!」

その後少し間があり、ボールドウィンは口を開いた。

「つまり……君はこう言っているのだな。大英帝国とその自治領、属州が我々のもといた世界から放逐されたと。」

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