表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
3/6

episode3 付箋

 高校に入学して1週間。俺は、だいぶクラスにも馴染むことが出来た。凛はというと、クラス1の美人で有名人になっているらしい。それを自分で言ってきた。


 俺たちは、昼休みは2人で過ごし仲良く昼食をとったり、話をしたりしていた。とても楽しい高校生活を送っている。


◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆

 ある日、自分の席でノートをまとめている所に、1人の女子がやってきた。この子は、藤木舞。明るい性格でとても可愛い。いいシャンプーを使っているのか、髪をなびかせる度にいい香りがする。そんな彼女はクラスの中では女子の中心的な存在だ。男子からは、女神としてしたわれている。

「ねぇ、山本くんっていつも真面目だよね~。」

 グイッと顔を近づけて覗き込んで来る。

「お、おう。留年なんかしたくないからな。」

 留年して、凛だけが先輩になるなんて御免だ。

「あー。私そこノート書けてないんだよね⋯⋯。後で貸してくれないかな?」

「別に、いいけど⋯⋯。」

「じゃあ、それ終わったら声かけてくれる?」

「分かった。」


 ノートをまとめ終わり、藤木さんにノートを渡しに行く。

「藤木さん、ノート持ってきたよ。終わったら机の上に置いておいてくれる?」

「ありがとっ!山本くん字がきれいだね~!」

「そ、それほどでも⋯⋯。」

 やっぱり、女子に褒められると照れる。


 昼休みなので凛に会いに隣のクラスへ移動する。

「あ、一樹来たっ。」

 じゃあねーとクラスの女子に手を振りながらこちらへ近づいてくる。

「一樹うちのクラスじゃあ有名人だよ~。」

「え!?そうなの?やっぱりこんな美人の彼氏だからかな~?」

「うん!そうみたいだよ!」

 冗談で言ったつもりが本当に的中した。

「一樹もそんなこと言うようになったんだねっ。」

「いや、冗談で言ったらまさかの当たってたってやつ⋯⋯。」

「私が可愛いって言うのも冗談?」

「それは本当!」


 こんなふうに毎日楽しく会話しながら過ごしている。


◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆

 昼食を食べ終わり、教室に戻ると自分の机にノートが帰ってきていた。ノートの表紙の上に、付箋が貼ってあり、《ありがとう 藤木舞》と書いてあった。こういう所、いい性格をしているんだなぁと思う。何となく、ノートのページをパラパラめくっていると付箋がもう1つ貼ってあるのを発見した。《山本くんが良かったら、今日の放課後に屋上に来てください。藤木舞》と書いてあった。


 ふと、凛に告白された時のことを思い出す。まさか、告白ってことは無いだろう。俺は、隣のクラスでは凛と付き合っているということで有名らしいし、さすがに、藤木さんもこの情報は耳に入っているはずだ。


 俺は、メールで凛に帰りが少し遅くなるから駅で待っていてとメールをして屋上に行くことにした。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ