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6話 ACT2-4

「サラ、なんだかんだでレベル10になったぞ」


「え??すごい、早すぎるよ!!シーちゃんがなんかすごいことになってる」


「なんだろうな。よくわかんないけど、悪くはないってことだよな」


「うん、すごいことだよ。すごいことだけどこれはあまり他の人には言わない方がいいかもしれないね。嫉妬されたり色々言われちゃうかも」


 AH(アストラルホライズン)で反映される個人補正に関しては未だロジックが解明されていないことも多い。

 対応方法とかも見ていないため特殊な状況にあるユーザーを疎ましく思ったり、時にはチーター扱いをしてくるプレイヤーもいるらしくステータスを見せるのと同じように情報開示はプレイヤーをみて判断したほうがいいらしい。


「早速早速ジョブチェンジしちゃおう」


「おーよろしく」


「もーシーちゃん。よろしくじゃなくて本当は自分で色々考えてやるのが楽しいんだよ。楽ばっか求めてもいい事ないよ」


「でも一緒に考えていくってのも共同作業っぽくてよくないか?」


「え、ま、うーん。そうだけど・・・」


 シキがそう言うとサラは少し照れうれしそうな表情をする。

 サラは一緒に。という言葉が好きなのを知っているので、あえてその言葉をシキは使ってみる。

 ちょろい奴め。


 まずはジョブ。さきほどのキャラメイク時に少し話した通り、魔法使い、基本職ウィザードを選ぶ。

 次にステータス振り。略してステ振り。

 物理攻撃力のSTR、命中率のDEX、防御力のVIT、魔法攻撃力のINT、俊敏性のAGIの数値がレベルの基本状態で各30づつ割り振ら、5で÷した数字が出ている。

 つまりレベル10では場合、10×3÷5で基本ポイントが6になる。

 HPとMPはVITとINTの20倍の数値が割り当てられている。

 そこに今度は自由にプレイヤーがつけていいよ。という事で、レベル1アップする事に3のステータスポイントをもらえる。

 シキの場合はレベル10なので30ポイント。


 最初のうちは防御力VITと魔法攻撃力INTを高めておいたほうがいいよ。というサラの言葉に従って、16ポイントを防御力のVIT、14ポイントを魔法攻撃力INTに振る。

 防御力VITの数値が22、魔法攻撃力20になる。


◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇

シキ


キャラクターレベル Lv.10


種族 ヒューマン


ジョブ ウィザード


ステータス

HP 440

MP 400

STR/Strength(物理攻撃力) 6

DEX/Dexterity(器用さ、命中率) 6

VIT/Vitality(防御力(物理、魔法両方)) 22

INT/Intelligence(魔法攻撃力) 20

AGI/Agility(俊敏性(回避力)) 6


◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇


「なるほどなるほど。少しだけ楽しくなってきた」


「でしょでしょ。よかったー。食わず嫌いがいかにダメだってことか。ってよくわかったね」


「っで、次は」


 認めるのは悔しいので、その発言の返答はスルー。


「もー素直じゃない」


 次はスキルのステ振り。シキは自分のマイページからスキルページを確認する。


◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇

シキスキル


ウィザード職スキル

魔法攻撃力上昇(マジックパワーアップ)】未習得

【マジックアロー(魔法攻撃中ダメージ)】未習得

【マジックバリア(MPでダメージ吸収)】未習得


◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇


 レベルアップ毎に5づつ付与されるスキルポイントを使ってスキルに割り振る事でスキルを習得し、ランクが上がる仕組みになっている。

 今の時点でシキのウィザードのスキルは未習得になっていたので、各3つのスキルに5づつを割り振りEランクに持っていく。

 次に25ポイントを【マジックアロー】に割り振りDランクまで持って行き10ポイントを【マジックバリア】にをり振りランクをE+にする。


◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇

シキスキル


ウィザード職スキル

魔法攻撃力上昇(マジックパワーアップ)】 E

【マジックアロー(魔法攻撃中ダメージ)】  D

【マジックバリア(MPでダメージ吸収)】  E+


◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇


「これで、ジョブ選びと数値のステータス割り振りが終わりかな。

 あとはレベルアップにあわせてまた追加で取得できるステータス数値を割り振ったり上級職を目指せるようになったらそこでまたスキル取得できるから楽しみだね。

 ちなみに装備品でもスキル持てたりするからその辺の説明もまた追々。

 あと、どういう確率なのか理論なのかわからないけど、ごく稀に特殊スキルというのを取得できるプレイヤーもいるみたいなので、そこも乞うご期待」


「乞うご期待。って全員がゲットできるわけじゃないんだろ?」


「うん、でも、私はできるって思ってる。シーちゃんもきっとできるよ。シーちゃんに関してはハードウェアからして特殊だしね」


「その特殊はどちらかというとマイナスのほうの特殊だろ」


「そんなことないよ。自分の体を動かすのと同じように思った通り動かすことができるVBCヘッドセットに比べると挙動面ではマイナスかもしれないけど、もしかしたらホロジェクターグラスにしかない隠れた何かを持っているかもしれないよ。

 物事の本質は見る角度によって違うって言うしね」


 サラのまた独自の感性に押し切られてる感じをしながらも否定はしないでおく。


「それじゃホロジェクターグラスに何かを期待しとくか」


「あ、今、適当に返答したー」


 むーっとふてくされるサラを見てからかい半分で笑いつつふと時間の経過を意識するシキ。


「そういえばログインしてから結構経つよな?明日も学校だし、今日はこの辺にしておくか」


「うん、そうだね。一旦そうしよう」


 シキはAH(アストラルホライズン)をログアウトしホロジェクターグラスを外す。

 サラはリンクというVBCヘッドセット特有の機能を使い実体のほうへ意識を戻したタイミングでAH(アストラルホライズン)では同時にログアウトになりアバターは消える状態になる。

 シキはサラから改めてVBCをつけている時の実体とアバターの関連性を教わる。

 VBCヘッドセットをつけ作り出されるアバターの活動はリアル世界でもAH(アストラルホライズン)の世界でも活動可能なのはもちろんであるが、人間の生活活動を根幹となっているのは実体になるので、意識のスイッチを実体とアバターで常にすることができるようになっている。

 アバターと実体の意識の移動をリンクと呼ぶ。

 VBCヘッドセットをしてアバターにリンクしてからアバターをリアル世界からAH(アストラルホライズン)に移動させる事をログインと言いアバターの状態でリアル世界に戻ってくる事をログアウトと言う。

 また先ほどのようにアバターから実体に意識を戻してもリンクにあわせてログアウト状態となる。


「ついに今週末にはVBCヘッドセットデビューだね」


「そのうちな」


 サラの決めにかかったプッシュをそれとなく交わしシキは自分の家に戻る。





 次の日


 シキはいつも通り実体のまま学校にいく。

 クラスの連中のほとんどがアバターでAH(アストラルホライズン)の話題で今日も持ちきりである。

 サラも変わらずシキにあわせてか実体で学校に来ていて女友達に色々と突っ込まれている。

 シキのほうをチラチラみてくるサラを視線を感じつつもシキは特段何か反応したりはしないようにしていた。


 放課後になりサラと話す機会がようやくできる。


「シーちゃん、今日も全然絡んでこない」


「しょうがねーだろ。アバターの話もAH(アストラルホライズン)も俺、ついていけねーし」


AH(アストラルホライズン)は昨日やったじゃん」


「やったっていっても触りだろ」


 悲しそうな顔をするサラをみて少し言い過ぎたと反省するシキ。


「わかってるって。俺もAH(アストラルホライズン)になれてきたらちゃんと話題に入るよ。それでいいんだろ?」


「うん・・・。シーちゃん」


「なんだよ」


「ありがとね」


 シキがクラスの輪に入る事をサラが望んでいることをシキは分かっている。

 とは言えシキはVBCヘッドセットが使えるようになってアバターやAH(アストラルホライズン)の共通話題ができたとしてもその輪に入りたいと思っていないことをサラは分かっていない。

 ただ純粋にシキとの接点を増やしていきたいサラの気持ちは理解している。

 複雑な気持ちを抱えつつもしばらくはしっかりAH(アストラルホライズン)をがんばろうとは思っている。


「今日もやるんだろ?」


「うん。あ、でもごめん。今日はこの後先生に呼ばれてて少し時間掛かっちゃうかもしれないからシーちゃん、先に私の家にいってAH(アストラルホライズン)に行ってて」


「待ってようか」


「大丈夫大丈夫。すぐいくから。昨日はバタバタもしていただろうし少しゆっくり色々見たりしてみたりして遊んでみて」


 サラと学校で分かれサラの家に向かい、サラの親父リキにまた色々と突っ込まれながらもうまく流してサラの部屋に行きホロジェクターグラスでAH(アストラルホライズン)に一人でログインする。

6/13です。

次は明日の12時に投稿します。


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