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15話 ACT4-2

 シキとサラは集会所を離れアイテムショップに向かう。

 先のイベントクエストで消費してしまったアイテム群を補充する。 

 シキもバトルの回数をこなしてるだけあってそれなりにゴールドと呼ばれるAH(アストラルホライズン)の通貨がそれなりに貯まっていた。

 シキ、サラ共にHP回復薬、MP回復薬、毒消し、ウーズの浄化液を10個づつ購入し、サラは転移石(トランディションストーン)を2つ購入する。

 ウーズの浄化液のように一度調合ができたアイテムはアイテムショップで購入することができた。


「そういえばシーちゃん、レベルいくつになったの?」


「そういえば、全然気にしてなかったな。ログインしてから今に至るまで色々ありすぎてマイページにレベルアップのテロップがたまに流れるのは気づいていたけど、見てなかった」


 シキがマイページを見るとレベル20とある。サラにも見せる。


「え??、もう20までいってるの?そういえばシーちゃんはレベルアップも早いんだったね。シーちゃん特殊状況がありすぎて情報を整理しきれないよ」


 そうは言うもののサラがものすごく嬉しそうにしているのでシキは「まーいいんじゃね?」と自分もうれしいが素直には喜ばずに返しておく。


 レベルアップにあわせて付与されたステータスポイント30とスキルポイント50をサラと相談しながら割り振っていく。


◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇

シキ


キャラクターレベル Lv.20


種族 ヒューマン


ジョブ ウィザード


ステータス

HP 560

MP 520

STR/Strength[物理攻撃力] 32

DEX/Dexterity[命中率]12

VIT/Vitality[防御力、物理・魔法両方]) 28

INT/Intelligence[魔法攻撃力] 26

AGI/Agility[俊敏性])12


装備 

武器   木の杖

盾    なし

頭    なし

体    村人の服

腕    なし

靴    村人の靴

アクセ1  なし

アクセ2  なし


ウィザード職スキル

【魔法攻撃力上昇[マジックパワーアップ]】 E+

【マジックアロー[魔法攻撃中ダメージ]】  D+

【マジックバリア[MPでダメージ吸収]】  D


◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇


「こんなもんかな」


「うんうん。レベルいい感じになってきたしステ振りも悪くないと思う。

 シーちゃんはウィザードでありながら近接戦闘のバトルを得意とするので物理攻撃のSTRと魔法攻撃のINTはバランスよくだね。

 レベル30になると上級職を選べるようになるんだけど、シーちゃんは何になるのがいいのかな?

 最初は魔法攻撃力の強いソーサラーがいいかな。って思ってたんだけど、今のシーちゃんを見ていると何がいいかわかんない」


「ソーサラーってのでいいんじゃね?俺も正直今更格闘系のジョブにつこうと思わないし、そもそも他のジョブの個性を持っていながらプレイヤースキル?っていうのか?俺自身の個性になってる近接戦闘の格闘色を考えるとやっぱり武器持ったりするのは合わないから、なんだかんだ魔法と格闘攻撃って組み合わせがいいんだと思うぜ」


「そっか。なんか偶々選んだのがこういう感じでハマってくると運命感じちゃうね」


「そうだな」


 最初にウィザードをサラが選んだ時に思ったサラの肌感覚に合わせることが結果いい方向につながる流れは今回においてもしっかりハマったのはシキとしても面白い感覚だった。

 シキは自分のことのように喜んでいるサラをみて頭をくしゃくしゃにする。


「ちょっと、何、もー」


 中学校に入って疎遠になって失ってしまった二人の時間をAH(アストラルホライズン)で一緒に過ごすことで取り戻せている感覚が何よりも最高だった。





 《汚水洞》


 イベントクエストとして選ばれたエリアだったが普段も行き来はできるダンジョンとなっている。

 街と街をつなぐ道にあるわけでもない位置に属しているエリア。

 かつ特に目新しいアイテムが手にはいるわけでもないためプレイヤーからの人気はなく、シキとサラが訪れた今も特に他のプレイヤーは一人もいなかった。


 最初に入った時よりもモンスターの数も少ないように思えた。


 いくばか出てくるケッコ、コボルト、ゴブリンのゾンビバージョンを軽く討伐しつつ前に進んで行く。


 前回に現れていたポイズンウーズの群れの地点までいくが、ポイズンウーズは一切いなかった。


「イベントクエストの時とは全然違うな」


「うん。《汚水洞》には本来ポイズンウーズはいないのかな?なんかここまで雰囲気違うのも気になるね。この調子だと何か情報を得たりとかはないかも」


「一応奥までいくだろ?」


「うん。一応ね」


「今更ここで言うか。ってタイミングで悪いんだけど、実は前回、転移石(トランディションストーン)で《汚水洞》から脱出するときに変な声が聞こえたんだよ」


「え?変な声?」


「なんつってたかな?アアとかシヨとかそんな言葉を発していたかな」


「なにそれ?モンスターの奇声なのかな?」


「そうかもしれなし、そうじゃないかもしれないけど、何かいるってのは確かだろ?

 ケッコ、コボルト、ゴブリンのゾンビ版がアアとかシヨとかそんな言葉を出すとは思えないので、違う生物だとは思うんだよな。

 もちろん今ここにはいなくなってしまったポイズンウーズではないだろうし」


 ポイズンウーズの群れや上級ポイズンウーズがいなくなってしまったとしてもシキが前回脱出した時にきいた声の主はいるんじゃないか?というシキの仮説も調査対象に入れてみて引き続き探索していく。


 前回、上級ポイズンウーズがいた地点まで行き着くが、何もない。


「結局何もなかったな」


「うん」


「嗚呼、やはり選ばれし者は導かれてしまうものなのですね」


 ふといきなり背後から聞こえて来る声にびっくりしてシキとサラは振り返る。


 そこにはさっきまで誰もいなかったはずの通りすぎた道に、目と鼻を覆い隠す銀の鉄仮面をして全身黒ずめの服とマントを装っている男が立っていた。


次は明日の21時に投稿します。

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