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極道少年のパラフィリアライフ  作者: 鳳凰寺未来
序章
8/78

第七話

「……お前、玉藻組でどんな生活してきた」


「え? 普通に部屋に居たけど……」


 何がなんだか分かっていないといった顔をする玉藻。


「他には」


「何も」


__は……?


「武術は」


「できないわよ」


「武器は」


「持ってないわ」


「勉強は」


「してなかった」


「……それは、自分の意志でやらなかッたのか」


「違うけど?」


 俺は無言で立ち上がる。


「待て。気持ちは分かるがまずは落ち着け」


「……あァ」


 座り直す。


 玉藻を見ると、首を傾げていた。


 それを見て更に玉藻組への殺意がわき上がってくる。


 その殺意を押し殺し、質問を続ける。


「部屋からは出なかったのか」


「出ては駄目って言われてたからね」


「いつからだ」


「産まれたときから」


 もう一度無言で立つ。


「落ち着け」


「……そういう爺様だッて、殺気抑えられてねェぞ」


「ふんっ。……玉藻組の姫、否、葛葉嬢よ。何故、そのような扱いをされていたか、分かるか?」


 爺様の言葉を聞き、考え込む玉藻。


「『お前は、忌み子だ』」


「「「ッ!?」」」


「『お前の力は強すぎる。我々の手には追えない』……そう言って、これをつけられました」


 そう言って見せてきたのはピアス。


「触ッても良いか?」


 頷いたのを見て、ピアスに触れる。


__!


 途端、視界が真っ暗に。


__引きずり込まれた、か。


「随分と強力な奴なんだな」


「小僧」


「あ?」


 振り向く。


 そこには、杭で九本の尾を貫かれ、鎖が体に巻き付いた藍白の九尾狐が居た。


「何をしにきた」


「手前が引きずり込ンだンじゃねェのか?」


「知らぬ」


__話が噛み合わねェ。


「俺は玉藻葛葉のピアスに触れただけだ」


「ほう? 触れただけで此処に来れたのか」


「此処は何処だ」


 そう聞くと、少し首を傾げた後、「分からぬ」と言った。


「妾は精神世界と呼んで居るがの」


「精神世界か。ンじゃ、此処は玉藻葛葉の中ッてわけだ」


「ご名答。流石は先祖返り」


 「先祖返り」。


 その言葉を聞いた途端、俺から大量の殺気が漏れ出る。


「何故それを知っている。爺様も知らない事だぞ」


「ふんっ。同胞の気配位分かるわ阿呆」


主様(ぬしさま)(わたくし)も出たいですわ』


 頭に声が響く。


__あ?


__ッたく。


「『来い、吸血姫(きゅうけつき)』」


 そう呼べば、俺から幽体離脱するように出てくるそれ。


 それは吸血鬼。


 産まれたときからの付き合いだ。


 俺に憑依していて、簡単に言ってしまうと俺はコイツの先祖返り。

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