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クランドールの戦い

第1戦 クランドールの戦い 前編

この世界には何十人もの王たちがいた。その王たちは二つの勢力に分かれて、それぞれの国を守っていた。一つは武力を好む勢力「クラン」と呼ばれるもの。もう一方は、武力を好まない勢力「ドール」であった。なぜ「クラン」と「ドール」かというと、二つの勢力の間にある大きな森の名が「クランドール」というからである。「クラン」という名は、その勢力が森を挟んで西側に位置していたため左側から三文字とった「クラン」と名付けられた。「ドール」も同様である。

「クラン」は主に十二の勢力に二十人の王又は女王が勢力をしていた。二十人の王には通り名があり、その王の特徴に基づいて付けられた。大体は「〜の王」と呼ばれている。ちなみに僕は「ドール」側の王だが、まあ、滅多に人前に出ることはない。僕は「ティユルの森」という場所でひっそりと暮らしているただの王だ。

「ドール」は主に一つの勢力で、僕を含めて十三の王又は女王で一つの巨大な国を作っている。一つの国に王と呼ばれる人が十三人もいるのもなんだか不思議だが、仕方ない。争いを防ぐためにそうせざるを得なかったのだから。まあ、基本的に国民の前に出るのは一人の王しかいないが。他の十二の王はかなりの変わり者達の集まりのような感じだから、唯一まともな「人形の女王。アリス・アスノール」に任せるしかないというわけだ。よっぽどの事がない限り、城に戻らないしな。まあ、そのよっぽどな事が今起こっちまったようだがな。

「クラン」側の王がなんで境界線に踏み入れたのか。これはあくまで推測に過ぎないが、「強欲の王。ヨズール・モンティユール」がその強欲に溺れたかと。あいつの強欲は異常値をはるかに上回っている。それに厄介なのは「剣術の女王。ソウル・ドリミング」がついていることだ。近接戦闘において右に出る王は一人もいないだろう。どちらにせよ、一人で向かっても太刀打ちは不可能だ。「時間稼ぎぐらいはしてやるか。ん」空を見上げるとドラゴンが境界線へと飛んで行っていた。「竜王のザサン・クロノスの竜か。それも、白竜のライトニングを飛ばしたということは、アリスが命じたのか。仕方ないか。僕も戦場に行きますか。さてと、ロザリア」ロザリアは、僕の事を信用してくれている亡霊の一人で、かつてメイド長としてとある家柄に従っていたらしい。いつも、僕の勝手な行為の事をアリスに報告してもらう為に現界させる事が多いけど、昔の事を話してもらったり、料理や掃除などの家事も教えてもらったりしている仲だ。

「ロザリア。いつものことですまないが、アリスに伝えてくれ。ちょいと戦力を減らしてくると」

「かしこまりました。マスター」お互い向かうべき場所に足を運び始めた。


はあ。また面倒な事になりそうだ。なんで今になってから攻めてきたのだろうか。他の「クラン」の連中は知っているのだろうか。おそらく知ってはいる。だが、「強欲と剣術」だけでもかなりの強さがある。自分の戦力は使いたくないということだろうか。僕がいるから。僕が「死の王」って呼ばれてるから。

あれは今からもう九年前の出来事だ。僕が俗にいう死神に会った時から、観る世界全てが変わってしまった。僕の左目はその時から人生を狂わした。最高ランクの魔眼である「死神の目」だ。死者を目視でき、生き物全てを追跡することができる。正式には生き物全ての魔力を追跡する能力だが。それは死からは逃げられないという運命を物語るかのような能力だ。もう一つ、死神がくれた物があった。それは「死神の右腕」。呪われた右腕は見た目は普通の人間と変わらない形をしているが、亡霊を現界させる能力と亡霊を他界される能力。それと、冥界と現実世界を繋げる空間を作る能力。それぐらいが、僕が死神にもらったものだ。いや。もう一つだけ。もう一つだけもらったものがあった・・・。


「魔力的になんでこんなに離れているんだ。仲間の王どうしなら、もっと近くに居てもおかしくないはずだが。まさか、吸血の王。奴が手引きしている可能性はかなり高い。人の血以外は飲めない奴なら。ある意味血に餓えていた奴と手を組んだ訳か。吸血の王の力なら全勢力を使っても止められないかもしれない。協定を破る程だよっぽどな状態がクランを脅かしているに違いない。あの中ならまともに話せるソウルに話を聞いてみるとするか。一番近くに反応があるし」僕は一気にソウルとの距離を詰めた。

「お前。本当にソウルなのか」そこにいたのは全てを忘れてしまったかのような姿。別人だ。魔力的には同じはずなのだが、全くの別人。もはや人間ではないその姿。冥界と現実世界が繋がってしまった。そうとしか考えられない。死神。お前はつまらないというのか。いや、すまない死神。僕にとっての唯一の救いの神を疑うなんて事はまだ出来ない。

この度は作品に目を通していただきがありがとうございます。作者の神矢正人です。今回はなんだかんだ色々と寄り道して作った作品です。連載と言っても不定期更新の作品になりますので、末長くよろしお願いします。

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