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泣いた悪猿83

「なるほどねえ!んで、また一・二年もしたら、また人間喰わなきゃ死んでしまう病の発作が起きるからまた人間サマのお世話になりに来いってことか!去年まで人間とっ捕まえてボリボリ喰ってた極悪邪鬼に、そこまですんのか?ガキの時分のあんたをよってたかって食い散らかして、そんな体にしたオレに、そこまでしてやる価値があるってか!?

なんとまあお優しいこってすなあぁ!流石は人間サマってとこか?ふざけてんじゃねえぞゴミカス野郎!!てめえ、そんなあったかい脳味噌で邪鬼退治が出来ると思ってやがんのか?世の中舐めてんじゃねえぞクソガキ!いつかてめえ、卑怯だけが取り柄の三下に騙されて後ろから喰い殺されっぞ!!!」


永山は跳躍した。

我慢の限界など、とうに越していた。目の前に御馳走をぶら下げられたまま、堪えられるほど永山は強くなかった。

飛び降りざまに顔が前面にせり出し、体中から焦げ茶色の体毛が生え、見る見るうちに元のマシラの体へと変貌を遂げていった。

それは、以前の永山とは比べものにならないほど痩せこけていた。ただでさえ明らかな格上である死神に挑むには、あまりに無謀な襲撃だった。

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