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泣いた悪猿69

燕雀いずくんぞ鴻鵠の意を知る。

凡庸な邪鬼に過ぎない永山に、首俵のような大物が何を考えているのかわかりようがない。

飛騨老人討伐を凌ぐ大事など、永山には想像もできない。


首俵が具体的に何を考えているのか、永山には見当もつかなかった。だがきっと、それは質問してはならないことであろうことを察していた。仲間になる意志さえない者に漏らすなどとんでもない、重大な秘密なのであろうことは凡庸な永山でも肌で感じた。今までの世界の常識が根底から覆る。そんな気がしてならなかった。もし永山が首を縦に振れば、その大偉業で一役演じることができたのだろうに。

そこまで首俵に買われていたとは知らなかった。本当に、本当に惜しい話だった。


とあれ、結論は初めから出ていた。首俵にはついて行けない。

ユウコとの生活を捨てられない。邪鬼として暴虐の限りを尽くしていた日々に得られなかった“幸福”の味を覚えてしまったから。一度味わったら手放すことのできない劇薬の味を、知ってしまったのだから。



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