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泣いた悪猿60

「それが、例の女か……」

死神はそばにいたユウコを見つめた。彼女がいる限り、永山に難が降りかかることはない。

「こんにちは。トウジ君のお友達ですか?」

戦慄する永山の心情を知ってか知らないでか、ユウコが口を開いた。死神が余計に手出ししにくい状況を作ってくれた彼女に、感謝する他なかった。

「ああ、この人は……昔の知り合いでな……コウタ……そう、コウタロウさんだ」

ついさっきまでコウタのことを考えていた永山は、まるでデタラメな名前を出してしまった。

「ミツトシコウタロウだ。……探偵をやっている者だ。まあ、よろしく」

死神は意外なほど、永山の捏造した名前をあっさりと受け入れた。永山を恨み殺そうとした男だとはとても思えないほど協力的だ。

「こいつはな、今でこそ真面目にやってるかも知れないが、昔はちょいとワルい奴でね。とっ捕まえようかとも思ったんだが、もう足を洗ってカワイイ彼女と一緒にいるから見逃してくれと泣き入れるから、お目こぼししてやったのさ」

永山は乾いた笑いと共に死神の言うことに頷いた。恐怖に震えつつも感謝した。

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