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泣いた悪猿49
それから数日後
永山はまたユウコと共にレンタル屋に出掛けた。
新作の棚を物色するユウコを尻目に、永山は一本の作品を手に取った。あの、なよなよとした男と病弱女の恋物語を描いた映画の続編だ。
「あ、それ続きあったんだ。トウジ君、気になるの?」
どうしてかニヤニヤしながら、ユウコが背後から声をかけた。
「たまたま見つけただけだよ」
永山はジャケットの表裏を眺めながら答えた。
「こないだはあんま興味なさげっぽかったけど……トウジ君がねだるなら、仕方ないなあ」
永山が何か言おうとする間もなく、ユウコは永山の手からケースを引ったくってレジに持って行ってしまった。
帰宅した後、永山とユウコは早速例の映画を観はじめた。
男の方は相変わらずのヘタレっぷりを序盤から晒した。数ヶ月もかけて婚約指輪を用意し、自作のケーキの中に仕込んで彼女に食べさせようとするまでは、まだ良かった。自分のケーキと彼女の分を取り違え、そのまま食べてしまうという偉業を成したのだ。後にレントゲン検査で自分の胃の中に指輪が発見されたシーンにユウコは爆笑していたが、永山は
「……チッ。バカが!」
と、舌打ちした。ユウコはそんな永山を横目でチラ見して、ニンマリと笑った。




