表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
41/88

泣いた悪猿41

「おかえり!」


幸か不幸か

ユウコは拍子抜けするほどに無事だった。


一瞬でも早く攻撃したい、と考えたことが正解だった。もしマシラの姿に変身しきってから出ていたら、取り返しのつかないことになっていただろう。ユウコの顔を見た瞬間に体を人間に戻すことで、彼女が変身しかけた永山の肉体を視認することはなかった。


ユウコが唐揚げの皿を置いたテーブルに、見知った顔の姿があった。

「永山さん……アナタ、何してるのよ?」

懐かしい顔が、唐揚げを箸で転がしていた。


平林芳明ひらばや よしあき

永山と同じマシラの眷属だ。

カルト宗教・地球市民の会で知り合った仲間だ。人間とのコミュニケーションがやたら器用だが、それがかえって同朋らの不信を買ったらしく出世コースから外れている。

小柄なオカマ口調の男に変じているのは、彼なりの処世術らしい。可能な限り弱そうにしていた方が、人間たちは油断してくれて色々と上手く行きやすいというのが、この男の持論だ。

今とて初対面のはずのユウコと、あたかも友人のように卓を共にしているのだから、たいしたものだと言えるかもしれない。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ