表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
22/88

泣いた悪猿22

永山の楽観は的中した。ドアノブを捻って目に入ったのは、玄関に置かれた一揃いの靴と、台所でいつも通りに唐揚げを料理するユウコの姿だった。長い黒髪が揺れる奥で、鍋の蓋が一緒に左右している。ユウコときたら油が跳ねるのがよほど怖いらしく、鍋蓋を盾にしながら防いでいるのだ。

「くっ……お前らの矢など、神器イージスの盾には効かぬわぁっ!」

いつものように跳ねる油を存在もしない敵に見立てて、独り芝居をしていた。

永山は大きな溜め息をついた。永山はようやく無事に家に着いたのだ。


「ユウコ曹長、戦況はまだ長引きそうか?」

心に余裕が出てきた永山は、ユウコの遊びに乗った。

「あわわっ!トウジ君、おかえり……って、どうしたのその顔!?」

ユウコはときどき永山には見当もつかないことを気にかけるが、このときもそうだった。確かに永山はあの死神に蹴られに蹴られたことで、口から吐いた血がこびりついていた。が、ユウコが痛めつけられ吐血したわけでもないのに、彼女が騒ぎ立てる理由が永山にはわからない。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ