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泣いた悪猿⑲

永山にはわからなかった。彼が見逃される理由は、人喰いをやめたからでは有り得ない。前述の通り、一年前まで人間を喰い殺していた永山が無罪を主張するのは人間からすれば暴論扱いされる。

考えられるとしたら、それはユウコのためだった。彼女の名前を口にするたび、死神の殺意が削がれていくのが目に見えて明らかだった。だがユウコの顔すら知らないはずの死神が、彼女とは何ら繋がりがないのに、どうして彼女のことを気にするのか全くわからなかった。

「わからないか?それは、貴様がエテ公だからだ。……火を扱えるくらいまで進化すれば、わかるだろう」

死神は不機嫌さを隠さないまま、いい加減なことを言った。

「火……を扱う呪を覚えろってことか?」

それが受け答えになっていないことを承知の上で、永山にはそのくらいしか言えることがなかった。まるで夜闇を歩くように、死神の言わんとしていることが見当もつかなかった。


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