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第一話 血圧値が心配です

あの事故からどれくらい足っただろうか?

俺は校舎への道のりの途中でそんなの事考えながら歩いていた

 

「まさかまた中学に通うとはなぁ、しかも女としてだなんてー・・・はぁ」


まさに可笑しな話である、ある日目を覚ましたら女になっているなんて誰が想像できようか

当たり前だがあの後はすごく大変だった、まずやつれていた男性と泣いていた女の子だが家族らしい

それを聞いた俺はすぐさま自分の今の状態を話した

最初は信じてもらえず、記憶喪失として病院を退院し家に帰り次第緊急家族会議が開かれた

とは言ってもそんな奇想天外な話など信じてくれるはずも無く、家族会議は平行線をたどっていたのだが

意外なことにある人物が家に訪ねてきて何故か家族会議に参加していた、そして本当になぜなのかその人物が信じてもらえるきっかけになり家族会議は一旦終了した


「ん?あの子は・・おーい楓ちゃん!」

「??」

「こっちだよ楓ちゃん、おはよう」

「あっ、おはよう由梨ちゃん」


そう、この体の親友 東城(とうじょう) (かえで)

彼女は俺に会うなり「なんか雰囲気変わったね由梨ちゃん」と言ったすごい女の子なのだ

それからは一番信頼できる頼もしい相棒で何でも相談できる親友になった 

こうして楓と合流し、そのまま教室に向かいながら昨日の番組の話などガールズトークに花を咲かせる

まぁなんだ、半年も女になると多少できるようになる

し・か・しだ、俺はこのまま教室に向かわずに屋上や保健室に向かいたい


「・・・なぁこのまま扉を開けなくても屋上とか保健室でサボらない?なんだったら図書室でもいい」

「でっでもそんなの駄目だ「ねぇまた来てるよアイツ」


廊下にいたある女子の集団の話し声が聞こえた、まぁ聞こえるように言っているんだろうが

そう現代の学校でよく見られるいじめだ

この問題はなかなか厄介で、解決するのは困難だ


「あたしアイツの顔なんて見たくないんですけどー」

「それはみんな一緒だってー」

「「あははははっははははは」」

          

なかなかに腹が立つ笑い声だ、最近毎日こんな感じで血圧が上がりそうで怖い

ひどい時は視界が真っ赤に染まるような感覚すらあるのだからいやになる

どうやらこの体の子はかなりの短気らしい

別に知りたくなかったが


「・・・」

「・・・」


互いに無言になり気まずい雰囲気が漂う

しかし教室に入らないわけにはいかず、楓が教室の戸を開ける

その瞬間廊下まで聞こえていた笑い声や会話がいっせいに聞こえなくなる

静まり返った教室内、いっせいにこちらを向く生徒たち

50近くの眼がこちらを見ていた

気持ち悪すぎるだろ


「・・今日・・どれ・いじめ・・?」

「今日は・・・・で・・でどう?」

「あははっ・・・でけってー」


ヒソヒソうるさい奴等だ、たまにぶちのめしたくなるが楓が絶対泣いて落ち込むのでそんなことはしない

そんなこと気にしていないそぶりで教室内を自分達の席に向かう

席の上には無残にも切り裂かれた教科書があった

油断したっ!!昨日まではまだこんな直接的なことはしてこなかったのに!!!

それを見て舌を打ちすぐさま隠すが間に合わずに楓に見つかってしまう


「っ!!?」

「待って楓ちゃん!!」


楓はその場にカバンを落とし呼び止めてみるがそれを振り切って走り去って行った

その時にちらりと見えた楓の横顔には涙が流れているのが微かに見えた

そういじめに遭っているのは俺ではなく


「ねぇねぇ今の見た!?あれ絶対泣くんじゃない!?」

「嫌あれはもう泣いてたでしょー、ちらりと見えた」

「マジ!?どうだったぁ?」

「うん・・・ちょー笑えるwww」


      アハハハハハッハハハハハハハハハハハッハハハハ!!!!!


東城 楓

そう一番の親友の彼女だったのだ

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