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Junction  作者: 神山 備
Guidance Point
5/6

キャンプ 2

 キャンプ場に着いて受付を済ませた後、開会礼拝が始まる短い時間の間に、よその教会の女の子たちにあたしは質問責め。それはもちろん拓也君のこと。ワゴン車の同列から仲良くしゃべりながら(ただ、会話の途中だったからだけなのに)降りてきたもんで、あたしは彼氏を連れて来たと思われたのだ。

「ジョーダン、拓也君まだ中二だよ!」

ムカついてそう言ったら、

「そんなん、愛があれば年の差なんてって言うやんか」

って、豊中の光子ひかりこちゃんがそう言って生暖かく笑う。だから、そんなんじゃないって!

 まぁいい、それも開会礼拝まで。プログラムは夜までびっしりだし、礼拝の後班分けが終わればそこからは班単位で動くし。後少しの辛抱だ。

 

 開会礼拝直前、拓也君はそーっと聖書を机の上に乗せた。何でそっと乗せたかと言うと、聖書は聖書なんだけど、そのカバー。ピンクのワンコ柄のキルティングで、持ち手付きという、どうも見てもお手製の代物で、いかにも女子仕様だからだ。だけど、それをめざとく見咎めた和歌山の杏里ちゃんが、

「うわっ、それカワイイ!」

と覗き込みにくる。それから杏里ちゃんは、ん? と首を傾げて斜め前のあたしを見ると、

「あれっ、アスミンとお揃い?」

とあたしに聞いた。

「お揃いじゃないよ、柄全然違うじゃん」

「でも、デザイン一緒だよ」

ま、そりゃそうだよね、コレ、両方ともウチのお母さんが作ったんだもん。

 ちなみに拓也君のは彼本人のものではなくて、彼のお母さんの物。お母さんがデボーションで褒められたからおばさんにも作ったってだけ。

 おじさんも聖書は持ってるし、カバーも掛けてないから拓也君はホントはそっちが借りたかったんだけど、道中で聖書が傷んでしまうといけないと言って、お母さんは渋る拓也君に無理矢理自分の物を持たせたんだって。


 それに、ふたを開けてみると、あたしと拓也君の班は一緒。集会慣れしてない拓也君のサポートって事らしいけど。それならなおさら、御国君でも愛生君でも良いでしょう!? ま、リクのことがあるから男子は男子で、女子は女子でばらしたっていう結果だってのは解ってるけど……


「やっぱし、あんたら神様に導かれてんのちゃうん」

と笑う光子ひかりこちゃんに、否定も肯定もできずに頭を抱えてキャンプの一日目が終わった。



  


 


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