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Junction  作者: 神山 備
Guidance Point
4/6

キャンプ 1

 キャンプは公立の青少年施設で行われる。意外と思われるかもしれないが、夏休みのこうした施設の教会の利用率はかなり高い。布団の上げ下ろしから、食事の配膳までセルフというのが、今の若い子(こんな言い方をすると自分がとんでもないおばさんになった気がするけどね)にはウケないのかもしれない。その分、2泊3日でも驚くほどリーズナブル。

 ウチの教団が毎年利用しているこの施設では、8月の予約のほとんどがどこかの教会に埋め尽くされるという。


 キャンプ場には先生(牧師)や、信者さんの車に分乗して向かう。交通費の節約のためだ。このキャンプには全国とまではいかないけど、東海・関西・関東ぐらいからは参加者がある。なので、参加費がリーズナブルでも、交通費の方がかかってしまう教会も多い。ウチもその一つだ。電車だと一旦名古屋に戻ってからじゃないと行けないから、電車で行ったことはないけど、参加費と同じくらいかかってしまうんじゃないだろうか。

 それに、あたしは両親がとっとと離婚してしまったから一人っ子だけど、教会の人は大抵子沢山。ウチの教会じゃないけど、三つ子ちゃんまでいるし、そうじゃなくても、3人4人はざら。その子どもたちが全部キャンプに参加するとなると、参加費だけでもハンパないのだ。だから、ワゴン車を持っている信者さんは都合が付けば快くガソリン代だけで出してくれる。小さな教会の中高生なんて、2台もワゴン車を出してもらえば余裕で全員乗れるから。


 そして当日、拓也君と一緒に安藤先生の車に乗るように(もちろん二人だけじゃないよ、御国みくに君も、清香さやかちゃんも、愛生マナセ君も一緒だから)言われて、あたしは心の中でガッツポーズ。

 そりゃ別でも会場に着けば話せないことはないけど、このキャンプって結構がっつりなプログラム。それに、いろんな教会の人と交流するのも目的の一つだから、班分けは確実にばらされる。結局、一番話ができるのは行き帰りなんだよね。

 しかも……

「おう愛生、一緒に乗ろうぜ」

御国君はあたしにウインクしってさっさと一番奥の席に行っちゃった。そしたら、

「じゃぁ、私先生の隣っと」

と言って清香ちゃんも助手席によじ登る。

「さやちゃん!」

思わず叫んだあたしに、さやちゃんは、

「菅沼君いきなり先生の隣じゃ気遣うでしょ。

明日美ちゃんなら、親同士友達だから」

事も無げにそう言う。確かに、最近お母さん同士はものすごく仲良いけどね。それって、お父さんが死んでからのことだし。

「だから、御国君と愛生君と3人で乗ってくれれば良いのに」

ま、着いた後、あたしは御国君にそう言ってぶーたれたら、

「ヤだよ、安藤先生の広い車で何が悲しくて野郎三人で詰めて座んなきゃなんないのさ」

って、言われたけど。そうなんだよね、愛生君はともかく、御国君ごっついんだよね。座れる設計だけど、できればゆっくり座りたいって気持ちは分からなくもない。


 おかげで拓也君といろんな話ができたんだけどさ。


いやぁ、進みません。私の頭の中では明日美の大学入学やら、拓也の入信・受験・献身など、着々と歳を重ねて行くのに、それが文字になりません。


それに、私にとってはごく平凡な日常の風景なはずなのに、なんでこんなに手間取るのか。Point メンバー恐るべし。母たちと言い、遺伝ですよもうこれは。





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