6.苛
今日は休日、学校に用は無いけどなんとなくきてしまった。
なんとなくなんだが、ほかとは違うんだ。……時間軸が
ここにいれば俺は居ても居なくともどうでもいい存在なんだと言ってくれる様な気がするから。家は駄目だな。騒がしい、生きてるっていう、俺という存在が、存在している。そんな世界にいると認識されるから
俺は自分が嫌いだ。
自分が存在しているなんて、吐き気がする。
「はぁー……寒い」
冬休みあけの一月。春はまだだ。
ごつ
壁に頭をぶつける。
ごつ
ごつ
ごん
がん!
がん!!
「あぁ、あぁぁぁ!」
なんだ。ムカつく、無性にイラつくんだ!無性になにかに当たりたくなる。力いっぱい。
どんなに身体が痛いと訴えていても、脳が受理しない。イライラが例えようのない怒りが身を突き動かす。強く痛めつける。誰もいない教室は、俺にとって好きで落ち着くはずなのに、今支配する音は鈍い。駄目だこうなったら気が済むまで暴れよう。
「突然の情緒的な破壊衝動は精神の弱い証拠ね」
椅子を持ち上げ窓に向けて投げようとした俺を止めるでもない、責めるでもない。納得したかのような声が聞こえた。
俺はこの声の持ち主を知っている。
「生徒会長」
「ねぇ、どうして」
つかつかつかつかと早足で歩いてくるとその右手が引いた。
「メールくれないのよ!!」
ごっつ!!
俺は顔面を殴られて床に倒れた。椅子が横を転げた。
「痛!?なんで毎回俺殴られるんだ」
馬乗りに彼女はなると目をそっと押さえつけられた。
「……?」
「自分嫌いなんでしょ君」
「……」
「自分が嫌いって目してる。顔してる。そういうやつ私知ってる」
会長の手もだけど、声が震えている。
「君さ、なんで私が君が嫌いかって聞いたよね?教えてあげましょうか?」
「はい」
「同じだからよ、君が自分が嫌いだからアンタが嫌い!」
同属嫌悪?
会長の手をのけようとしたら、つめたてられた。
「いて」
「生意気ね、潰すわよ」
「止めてください」
会長が手を離して、俺の上からのいた。
そして俺のポケットに紙を入れた。おそらく、またメアドだろう。
「今度はちゃんと頂戴」
俺に指差しながら釘をうつと、背中を見せた。
「会長」
呼び止めたら振り返った。
朝から居たのに、今はもう夕方だ。オレンジ色の光が教室を照らし、影をより一層濃くさせた。
「……やっぱなんもないっす」
「そう」
会長は背中を見せたと思ったら、反転して俺にスライディングキックをかましてきた。
「いって!?ケツ!?けつ!?!」
「一度なんか言いかけたなら言いなさいよ。ほら」
会長は立ち上がりスカートについたほこりをはらう。
この人無茶苦茶だな。
「や、その。会長、本当は俺のこと好きなんすか」
メアド強要してくるし。
「嫌いっつってんじゃん」
「ですよね。じゃあなんでメアド渡すんですか?嫌がらせですか」
「そのうち分かるんじゃないかな。それじゃ、絶対送ってよ!!」
そういって去っていった。
こっちのほうがよっぽどツンデレっぽい。ただし、ツン発揮のたびに俺の肉体は痛いが