21.結
「は?」
結婚?
「あらおめでとう」
「わぁーお兄ちゃんおめでとう」
「おめでとう悠馬君」
「違うだろう!!」
エリスはにやにやと笑いながら両手を広げた。
「さぁ!ダーリン!!カモンッッうちの胸に飛び込んでおいで!」
「誰が行くか!!」
どこからどこまで本気なんだ!?ふと自分のペースを乱されまくっていることに気がつき、溜息をついた。
「もしかして、お前馬鹿か?」
「うん」
いや、違うな。
「間違えた。お前阿呆だろ?」
「うん」
なんでだ。なんでこうなるんだ?頭を押さえていると、エリスが顔を覗き込んできた。
「なんだよ?」
「結婚は早いのを望みますか?」
「望みませんよ!ってなんで敬語なんだよ俺まで敬語になっちまったじゃねぇか!!」
「礼儀正しいのっていいことだとおもうよ」
そういうことじゃねぇ!
「ふざけるな!!」
「本気だよ!」
「うぐ」
そういわれたら何もいえない。っていうか責任=結婚っていうことがまずおかしい、そんな方程式なんだったら扉と結婚しろ!あぁ、オレまでわけわからんこと考える羽目に
「ああもう、五月蝿いお前みたいな女願い下げだ!」
「じゃあ押しかけ妻になるね!」
「なんでだよ!後なんだよそのドヤ顔!!何してやったり見たいな顔なんだよ!意味わかんねぇし。大体何が違うんだよ!!バーカバーカ!!」
「子どもねぇ」
姉が何か言ったか?
「お前に何が分かるんだよ!」
姉はお前呼ばわりにカチンと来たらしいが、大人の余裕とつぶやきながら勝ち誇った笑みを浮かべた。
「彼女は遠まわしにあんたのことスキって告白してるのよ!」
「そ、そうなのか?」
エリスが微笑んだ。
「そんなわけないじゃん!」
「帰れよ!!!!」
頼むから!今なら土下座もするから!!
「あ!もしかしてすねちゃった?」
エリスはしゃがむといい笑顔でいつものように明るい口調で言い切った。
「大丈夫ちゃんと責任取るから!」
「帰れ!!!」
こいつ、もしかしたら……いや。会長より性格悪い!!!
・・・・。
「悠馬……なんで、なんで?なんで」
―――なんで私を見てくれないの?