17.代
「……」
俺達は結局あの後何も会話せず、教室に戻った。
会長が俺にこだわる意味も、したいことも、まぁわかった。……でも知ったからといって何か解決したかといえば違うし、途中で邪魔も入ったから、なんともいえない気分だ。
……あの二年生だっけか?結局何がしたかったんだ?
「はぁ」
なんか、どうでもよくなってくるな。この悩みって人間関係の部類にはいるのか??
「はぁ」
二度目の溜息で、俺の目の前が影になった。
「……」
「随分と、お疲れのようだな~あぁ?悠馬よぉ」
黙って顔を上げると、四角いめがね愛好者の先生が笑顔でメガネを光らせ、そのとがった本の角を俺の頭の上へと落とした。
「授業に集中しろ!」
なんで本の角。涙目で痛む頭を押さえながら俺は窓の外を見た。
「あ」
エリスが外で走っていた。どの女子よりも早い。
「……」
へぇ運動神経いいんだな。
「!」
俺に気がついて彼女は笑顔で俺に手をふった。ファンサービスはいいってか?
「……はっ!」
俺はおそるおそる顔を前に戻した。
「いい度胸だ」
そして俺は今、頭の上にバケツをのせている。
「おい悠馬、お前さー今日大丈夫か?」
友人がバケツを持った俺の周りに集まってきた。見世物じゃないんだぞ?しかしそろそろ首が痛いぜ。
「何が」
「お前ぼうっとしてさ、余裕で窓の外とか見ちゃったりして」
窓があったら外を見るのは同然だろう。いや、言いたいことは分かってるけどさ
「俺もさ、いろいろあるわけ」
「あれか?」
友人の小指が立てる。
「これか?」
「ちげぇ……し」
「何で今どもったんだよ!!これか!?これなのか!?」
「やめろ!小指突きつけんなし!!」
たしかに女で悩んでるけど、これってわけじゃないけどな。
「そういうときはな~」
女居る前提で話し進めんなし。
「こういう俺が好きなんだろって言えば一発だ」
「うん、一発で嫌われるな」
オレなしでお前らで結論出すなよ。どうでもいいけど
「まぁ、女って生き物は一途に見えていがいと移り気が強いからな」
「……そうか!」
「なんかひらめいた?」
そうかそうか、会長は死んでしまったなんとかって人の代わりに俺にまとわりつくんだよな?だったらもう一人の自殺候補のエリスに会長を押し付け……んでもって緑はいつモノどおり無視すりゃいいじゃん?
やったね、俺これで自由じゃね?
「なんか幸せそうな顔してるな」
「そうだな」
友人は悠馬の、バケツもったニコニコ顔を見て、心の底から病んでいたんだなぁ~としみじみ思うのであった。
「さっそく呼び出すぜ!」
その前に先生はいつまで俺にバケツ持たせるんだろう