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エピローグ ―白い空間の果てで―
どれほどの時が過ぎたのだろう。
ミランは、再びあの白い空間に立っていた。
机も椅子も、何もない。
ただ、穏やかな光が漂っている。
かつてこの場所で、数多の魂を送り出してきた。
彼らは皆、それぞれの世界で生き、泣き、笑い、そして誰かを想った。
――今なら、少しだけ分かる気がする。
神として見守ることも、人として生きることも、
本当はどちらも間違いではなかったのだ。
ミランは静かに目を閉じ、微笑んだ。
> 「転生を導いてきたけれど……
> 結局、僕が知りたかったのは“自分”というひとつの魂だったんだね」
光が彼の身体を包み込む。
それは消滅の輝きではなく、始まりの光だった。
> 「もう少し、この世界を見ていよう。
> 夢でも現実でもない、“本当の今”を」
柔らかな風が吹き抜ける。
空間の彼方で、誰かの笑い声が聞こえた。
――それは、ミラン自身の声だった。
白い光の中、彼の姿はゆっくりと滲み、消えていった。
世界は静かに、確かに、目を覚ます。
ミランの物語は終わりますが、彼が見守る世界はこれからも続いていきます。




