表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
転生担当の神ですが、本当の自分をそろそろ知りたい~ゼフィリア幻想譚~  作者: 松本ごはん
第二部:神の転落と人の祈り

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

17/21

第17話 創造神の欺瞞と孤独

ミランは、創造神アルマの**「夢」の深部**を漂い続けた。ここは、神界の光も届かない、アルマの意識の核そのものだ。


アルマの記憶は、ただひたすらに、**「希望の再構築」**を試みる彼の、無限に続く孤独な作業を映し出していた。記憶の断片は、美しくも脆いステンドグラスの破片のように、ミランの周囲を漂う。


「私は、彼らを救いたかった。現実世界で滅びゆく魂たちに、もう一度、理想の生を与えてあげたかったのだ。」


ミランの意識に直接語りかけるアルマの記憶。彼は、無力な神である自分でもできる唯一のこととして、魂たちの**「理想の生」をコード化し、ゼフィリアという「実験場」**に転生させていた。


「私が無力であっても、私の創った世界だけは、彼らに永遠の幸福を与えるはずだ。」


しかし、ミランは知っている。その幸福は、何度も脆く崩れ去り、世界に**「魂の欠け」**という深い傷を生み出してきたことを。アルマの記憶の先には、いつも、再生不可能な魂の残滓が待っていた。


やがて、アルマの記憶は、ミランの役割について明確に語り出す。


「ミラン。私の分霊であるお前は、この世界のエラーを修正する機能だ。もし、この夢の世界が現実の希望を再構築できないと判断したら、お前はこの世界をリセットしなければならない。」


ミランは、アルマの意識の核に向けて、静かに、しかし決然と答える。


「リセット……それは、世界の破壊です。創造主としての責任を放棄し、己の孤独から逃れるための自己欺瞞ではないか!」


アルマの夢の中で、ミランの言葉は物理的な衝撃波となった。ミランの存在は、創造神の計画の範疇を超えて、アルマの意識に直接干渉していた。


アルマは、ミランに**「転生を管理する鍵」という役割を与えた。しかし、それはミラン自身が「夢を現実へと変える力」**を持っていることを、アルマ自身が無意識に知っていた証拠だった。アルマは、永遠の夢を望む一方で、ミランを通じて、いつか世界の理が「夢」ではなく「現実」となることを、深層意識で望んでいたのかもしれない。


ミランは、アルマの意識の渦の中で、リュシアの言葉を鮮明に思い出した。


「原初の光は、あなたの本体が奪った」


アルマは、自らの魂から**「希望」と「真の創造力」を象徴する『原初の光』**を切り離していた。それは、彼の魂の核を維持しつつ、世界の創造を可能にする唯一の手段だった。


アルマは、その『原初の光』を、ミランとゼフィリアの魂の奥深く、**「夢の鍵」として隠蔽したのだ。そうすることで、アルマ自身は「孤独な管理者」として永遠に夢を見続け、ミランに世界の崩壊という「リセット」**の責任を押し付けようとした。


「あなたは、最初から世界を『夢』のまま終わらせるつもりだった。そして、私をその『夢』を永遠に守る番人にした。」


ミランは、アルマの魂を苛む底知れない孤独を理解しつつも、その巨大な**「欺瞞」**を許すことはできなかった。


「しかし、もう終わりです、アルマ様。」


ミランは、背中の白い羽根――リアの祈りの光を、アルマの意識の核に突きつける。


「リアの祈りは、あなたに『夢の終わり』を告げました。私は、この光をもって、あなたの**『夢』から、世界を『現実』**へと、目覚めさせます。」


それは、ミランが人として得た、最初の反逆の宣誓だった。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ